「中野のお不動さん」として人々から慕われ、日本三大不動尊にも数えられている聖地です。その昔、恵明道人が1匹のカモシカに導かれてこの地に訪れ、洞窟を掘り開拓していったのが始まりでした。
真っ暗な洞窟を照らす炎は840年前の開山から灯っているという神秘的なもの。新緑と迫力の滝を背景にそびえ立つ、真っ赤な大日堂の美しさにも圧倒されることでしょう。
見どころ満載の福島県屈指の厄除け・パワースポットをご紹介します。
目次
日本三大不動尊「中野のお不動さん」
眼主不動明王が祀られる祈祷殿と納札堂
日本三大不動尊「中野のお不動さん」

中野不動尊は、初詣で有名な千葉の成田山、江戸幕府から信仰された東京の目黒不動と並び日本三大不動尊の1つに数えられています。お寺としての名前は「中野山 大正寺」と言い、宗派は曹洞宗になります。
福島駅からは車で25分ほど。山に囲まれた畑道の中、山の斜面にその姿が見えてきます。

「不動尊」というのは不動明王を祀るお寺のこと。不動明王は右手に刀剣を持ち、背には炎が燃え盛り、眉間のしわとギョロリとした大きな目でにらみつけるとても恐ろしい顔立ちをしている仏様です。しかし、顔立ちとは裏腹にとても慈悲深く、清らかな心で念ずればどんな願いでもかなえてくれるという法力を持っているとも言われています。
ここ中野不動尊にも3つの不動明王が祀られています。
眼主不動明王が祀られる祈祷殿と納札堂

地下より途切れることなく湧き出る清水の上に立つのが「とげぬき地蔵」。「とげぬき」とは刺さった刺を抜くのではありません。人間の五慾・三毒・四苦・三障という、欲、煩悩、苦しみを取り除くという意味です。
右の竹筒から流れ出ているのは「岩窟の清水」という、この後紹介する洞窟から流れる霊水です。

総ケヤキ造りの祈祷殿には3体の不動明王の1つ、眼主不動明王が祀られています。その名の通り、眼を守ってくれる力があり、それは眼の病だけでなく、学問や交通にも効果があるとされています。
この日も中では厳粛に祈祷が行われていました。

納札堂には毘沙門天が祀られています。毘沙門天は鎧兜に長い剣を持つ勇ましい神様。戦国時代の名将、上杉謙信が信仰したことで戦いの神様としても知られていますが、そのご利益は多岐にわたります。開運、心願成就、合格祈願の時も、ここに古いお札やお守りを納め、厄を払っていただくといいでしょう。
総ステンレスの建物もとても珍しいです。