世界では日々さまざまな事件が起こっている。今回は、日本ではあまり報道されていない、驚愕の海外ニュースを2つお伝えする。

元従業員が雇用主所有の建物を破壊

『Calgary Herald』などによると、2022年7月、事件はラグジュアリーなコテージや高価なボートで知られるオンタリオ州の避暑地で起こった。

オンタリオ州トロントの北に広がるマスコーカ地方は、富裕層が多く訪れることでも知られている。7月21日夜のことだった。突然の大きな物音とともに、Pride Marine Group所有の建物が大型のパワーショベル(掘削機)によって破壊された。

事件の犯人はこの建物のオーナーに解雇された元従業員。ちなみにPride Marine Groupはボートの保管や修理などのさまざまなサービスを行う会社。

近くの住民が撮影していた映像によると、巨大なパワーショベルで破壊されていく建物は、まるでおもちゃのようだったとのこと。

破壊された建物はこの一棟だけではないようだ。避暑地にとって書き入れ時ともいえる7月に怒ったこの事件、建物の破壊のみならず経済的なダメージも与えている。

不幸中の幸いと言えるのはけが人がいなかったこと。怒りのままに行動してしまった犯人だが、人を傷つけるつもりはなかったのかもしれない。

破壊された建物は修理で直るようなものではなく、既に撤去されている。twitterで拡散され大きな話題となったこの事件。犯人は建造物等の損壊罪で約54万円(5,000カナダドル、108.04円で換算)以上の罰金が科せられている。男性は後日裁判所へ出廷の予定。

とんでもないことをしでかしたこの男性だが、解雇された理由はなんなのだろうか。詳しくは報道されていないが、もしもコロナ禍のパンデミックが原因の整理解雇であれば、ある意味コロナの犠牲者と言えるかもしれない。

ただ、くれぐれも、間違ったストレス解消だけは避けてほしい。

ジョギング中の女性が謎の失踪、死体で発見

『The Sun』などによると、エリザは9月2日の朝、ランニングに出かけた。時間は午前4時半。まだ夜明け前だった。そのまま彼女は失踪。4日間にわたり捜索が行われ、古びた建物の外で、遺体で発見された。

死因は銃創と頭部の鈍器による損傷。殺人とされる。体内からは麻酔や鎮痛剤として使われるフェンタニルも検出されたという。

遺体には腐敗臭が漂っていた。

エリザは34歳。メンフィスに住み、オーギル社の10億円の財産を相続した億万長者。

また2人の子供の母でもあるエリザは市内にあるセント・メリーズ・エピスコパル・スクールで教師としても働いていた。

笑顔の素敵な女性だったという。

犯人はクレオタ・アブストン・ヘンダーソン、38歳。事件の当日、エリザを自分の車に無理やり押し込んだあと、殺害に至ったようだ。

監視カメラに映し出された映像にはエリザをSUVの後部座席に押し込めた姿が残っている。

犯人のクレオタは、誘拐と殺害の容疑で起訴された。

早朝の薄暗い時間帯にエリザは走っていた。「こんな時間帯に女性が走るなんて…」そんな懐疑的な声もあるだろう。しかし、犯罪者のために殺された人を責めるのは間違っている。

犯人は黒人であり、被害者は白人。背景には「ブラック・ライブズ・マター」の運動を反映したものという推測もある。しかし、別のレイプ事件のDNAサンプルがクレオタと一致したという話もある。

そして、エリザが10億ドルの相続人でもあることがこの事件をより有名にさせた。

事件の闇は深い。

日本では考えられない規模の事件や事故が起こることも

海外では、文化的背景や民族的な違いから、日本ではあまり想像できないような事件が起こることも少なくない。しかし、世界のニュースから学べることも多いので、普段あまり海外ニュースは見ないという人も、一度意識して情報収集してみてはいかがだろうか。

文・MONEY TIMES編集部