アファーマティブアクション(AA)とは、大学等の入学等においてマイノリティーを優遇する制度だ。
1996年、白人女性のバーバラ・グリッターがミシガン州立大学ロースクルの入試で、自分より成績の悪いマイノリティーが合格して自分が不合格になったのは不当だと大学を訴えた。

ミシガン州立大学ボーモントタワー Wikipediaより
誤解してはならないのは、マイノリティーが優遇されるのは貧富の差の解消ではないということだ。
白人女性の方がマイノリティーよりも貧しくとも、マイノリティーが優遇される。
連邦最高裁は、学生集団の多様性は大きな公共の利益であると説き、合否は学業成績のみで決めるものではなく提出されてエッセイや推薦文などで総合評価して決められる。マイノリティーか否かは総合評価の一要素に過ぎないので大学の措置は正当だと判断した。
ところが、同じミシガン州立大学の人文科学芸術学部は、マイノリティーの受験者に自動的に20点を加点していた。これに対しては、連邦最高裁は大学側を敗訴させた。
総合評価の一要素としてのマイノリティー優遇は許されるが、自動的に加点をするのは許されないとするのが連邦最高裁の判断だ。
しかし、私はこの姿勢には大いに疑問を抱いている。
学生集団の多様性が大きな公共の利益だというのであれば、総合評価の一要素であろうが加点であろうが、選考手続に違いがあるだけだ。
もっと言ってしまえば、自分が受験する際、マジョリティー枠の最低点をクリアしなければならないと事前にわかっていた方が出願も容易だし不合格になった時にも納得がいくのではないだろうか?