これを横目で見れば最後の決断をする岸田政権は法人税増税がやりやすいのでそちらに走るのは議論をする前から目に見えております。そうです。「法人税増税がやってくる」、ここは押さえておく必要があります。

次に防衛とは何か、であります。日本を守るのは自衛隊任せか、という話です。火事の時、消防士だけではなく、民間の消防団がバックアップすることがあります。警察だけでは手に負えないのでセキュリティ会社と契約したり、自衛団や見廻りをしている自治体や管理組合もあるでしょう。では戦争になったら自衛隊に全部お任せか、という議論が全く盛り上がらないのです。もちろん、一般人に何ができるか、と言われるでしょう。

私はまずは意識改革が必要だと感じています。平穏な戦後の安定期はどうやら終わりつつあり、地球上のどこで何時、何が起きてもおかしくない、そしてそれは日本も含まれるのだ、という気持ちです。その上で国民ができることは防衛に対して理解し、協力意識を育むことが必要でしょう。子供たちに「戦争になったらどうなるの?」と聞けば「自衛隊のお兄さんたちが戦ってくれるんでしょ」という他人意識ではダメだ、ということです。

想像しにくいのですが、かつての戦争のように陸戦が主力の時は多くの兵士が必要で徴兵が当たり前でした。今、日本でも中国でも韓国でも台湾でも「徴兵したい」と政府が言っても皆、逃げるだけです。ロシアが過去、訓練を受けた人たちを兵力として狩り出そうとして往生したのと比較にならないほど兵力など集まらないのです。例え狩り出しても多くがノイローゼになるのが関の山です。

つまり今、日本が言う防衛とは武器を山のように買い込み、「俺、こんなに持っているんだぜ」という話です。では侍が二刀流で拳銃まで持てば強いのでしょうか?個個人ベースでは凄い人もいるかもしれませんが、組織論だと全く機能しないとみています。

強い日本を作るには国民の防衛意識もありますが、更にあといくつか思い浮かびます。一つはサイバーアタックをより防御できる技術確立です。たとえば量子コンピューターが話題になりつつありますが、これができるとハッキングは極めて困難になるとされます。次にスパイ。まず、情報漏洩を許さず、スパイを見逃さないこと、そして日本でプロの諜報員は法律を変えてでも養成すべきと思います。そう、昔の陸軍中野学校の現代版です。三つ目に情報連携を強めること。情報は必ずしも近くの国が持つわけではないのです。世界の諜報機関はリンクしています。ここでギブアンドテイクできる能力を身に着けることです。

防衛費は湯水のごとく使えます。が上述の対策はそこまでではないはずです。またサイバーアタック対策はIT技術の進化の一部であり、当然ながら防衛はそれを転用すると考えれば防衛費とほかの研究開発費の線引きも不明瞭になるとも言えましょう。

日本が強い国になるにはミサイルの数ばかりを議論するのではなく、もっとしっかりとした防衛の基礎固めからではないかと思っています。

では今日はこのぐらいで。

編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2022年11月17日の記事より転載させていただきました。