宮崎駿監督の参加作品に登場する、数々のメカなどを題材に模型を作るグループ「宮崎メカ模型クラブ」。そのクラブ展示会vol.2が東京・浅草橋の東商ホールにて開催されました。設定資料を読み込んで立体化したフルスクラッチ作品や、市販モデルを改造した作品など、その種類は多種多様。会場の様子をレポートします。
宮崎メカ模型クラブは、会長のかのーさんを中心にインターネット上で同好の士が集まった、という模型クラブ。このため会員の年齢層が20代〜60代、居住地も全国バラバラという、非常にバラエティに富んだ構成となっています。
これまでにも、毎年5月に開催される静岡ホビーショーにて合同展示に参加するなどの活動を行ってきたクラブ。今回はクラブ単独の展示会vol.2として開催されましたが、クラブのメンバー以外にも、多くのゲスト作家が参加する賑やかな展示会となりました。
会場入り口には、宮崎アニメを彷彿とさせる書体で書かれた「宮崎メカ模型クラブ」のディスプレイ。文字の周囲にはリベットのディティールが付加されており、船などから剥がしてきたようにも感じさせる「作品」です。
■ 多くのファンが詰めかけた会場
体温計測と手指の消毒を済ませ、会場に足を踏み入れると、熱心な人々が集まり、興味深そうに作品を覗き込む様子が目に入ってきました。熱気に満ちあふれた空間です。
展示されている模型で最も大きく、来場者の注目を集めたのは、かのーさんが制作中の1/24スケール「バラクーダ号(未来少年コナン)」。詳細な設計資料は存在しないので、設定資料を読み込みつつ、足りないところは想像で補いながら作っている作品です。
全長約2m20cmという大きさですが、実際の船舶と同じようなブロック工法で作られており、分割することが可能。各部には第4話を中心に「未来少年コナン」各話のエピソードを再現したフィギュア(作:脳味噌晃さん)が配置されているという、一種のジオラマにもなっているのが特徴です。
全体をつなげて見せる以外にも、時折分割して見せる展示をしていました。分割されると、各部のジオラマが見やすくなるばかりでなく、バラクーダ号の構造もよく分かります。
ムラさんは「風の谷のナウシカ」に登場する、トルメキアのコルベットを1/72スケールでフルスクラッチ。重厚感ある仕上がりで、軍用機としての迫力を感じさせます。
弊社ライター陣の1人でもあるくろすけ氏は、映画「もののけ姫」に登場したタタリ神などのジオラマ作品を展示。タタリ神は綿棒の芯を削り出し、あのうごめく毛のような触手のようなディティールを再現していました。
nakaさんは「名探偵ホームズ」に出てくる、モリアーティー教授一味のメカいろいろを3Dプリンタで制作。スチームパンク感あふれる造形は、独特の存在感ですね。
展示されている模型は動いたり、電飾がされているものが多く、展示会ではそれを楽しんでもらおうと会場の照明を落とす「電飾タイム」が数回行われました。明かりがともることで、それまでとは違った表情を見せるものがあり、楽しみを倍加させていました。
電飾タイムで派手な演出が光ったのは、どろぼうひげさん作の「天空の城ラピュタ」ロボット兵。シータを守ろうと、炎うずまく中奮戦する様子を再現したジオラマ作品です。
このロボット兵、頭部のチカチカする光だけでなく、レーザーも仕込まれており、ちゃんとレーザー発射シーンまでが再現されています。炎もLEDを時間差で発光させることで、メラメラと燃え上がる状態を表現。