一定額以上の金融資産を保有する人は「富裕層」とよばれます。「自分とは縁遠い世界」と感じる人も多いですが、富裕層の思考法を知ることで、アッパーマス層や準富裕層への道が開けるかもしれません。資産運用の重要性についても解説します。

目次
富裕層の定義は?
富裕層の特徴

富裕層の定義は?

富裕層の特徴、考え方とは。資産運用の重要性についても解説
(画像=『RENOSYマガジン』より引用)

世の中には「富裕層」とよばれる人たちがいます。コロナ禍や物価高で生活が困窮する人が増える一方で、富裕層は一定以上の経済力や購買力を有しています。

富裕層の明確な定義はありませんが、「資産が多い人」であることは明らかです。具体的にどのくらいの資産を持つ人が当てはまるのでしょうか?

指標は純金融資産保有額

富裕層かどうかを区別する一つの指標に「純金融資産保有額」があります。これは、個人や世帯が保有する預貯金・株式・債券・年金保険などの金融資産から、住宅ローンや教育ローンなどの負債を差し引いた額です。

富裕層の定義は明確に決まっていませんが、日本大手のシンクタンクである野村総合研究所(以下、野村総研)では「純金融資産保有額1億円以上5億円未満」を富裕層、「純金融資産保有額5億円以上」を超富裕層と位置付けています。

なお、金融資産には不動産や車、貴金属といった「実物資産」は含まれません。実物資産を多く持っている人と富裕層は、必ずしもイコールではないのです。

日本に富裕層はどれくらいいる?

野村総研が2020年10月~11月、全国の企業のオーナー経営者に「NRI富裕層アンケート調査」を実施したところ、純金融資産保有額が1億円以上5億円未満の富裕層は124万世帯、純金融資産保有額が5億円以上の超富裕層は8.7万世帯に上るとわかりました。

2005年~2019年の推計結果を加味すると、2013年~2019年において富裕層・超富裕層の割合が右肩上がりに増えています。2013年は、デフレからの脱却と富の拡大を目標に掲げた「アベノミクス」がスタートした年でもあります。

参照:野村総合研究所、日本の富裕層は133万世帯、純金融資産総額は333兆円と推計 | ニュースリリース | 野村総合研究所(NRI)

富裕層の特徴

富裕層の特徴、考え方とは。資産運用の重要性についても解説
(画像=『RENOSYマガジン』より引用)

「世の中のお金持ちはどのようにお金を増やしているのか?」「どんな職業に就いているのか」と気になる人も多いはずです。一口に富裕層といっても、さまざまなパターンがあります。

富裕層の種類

富裕層のうち、勤労収入額が高い人を「フローリッチ(キャッシュフローリッチ)」、保有資産額が高い人を「ストックリッチ」とよび分ける場合があります。

例えば、年収が4,000万円の会社経営者はフローリッチ、1億円以上の金融資産をすでに保有している人はストックリッチです。

また、先祖からの相続によって資産を引き継いだ人や裕福な家系の人は「オールドリッチ」、一代で財を築いた人は「ニューリッチ」とよばれます。

オールドリッチは資産を守ろうとする保守的なタイプが多いのに対し、ニューリッチは運用や投資などで積極的に資産を増やそうとする傾向があるようです。

職業では社長や開業医など

富裕層の代表的な職業の一つが「会社経営者」です。上場企業や大手企業はもちろん、億超えの収入を得る中小企業経営者も珍しくありません。

上場企業や大手企業では経営者のみならず、役員も富裕層に該当する可能性が高いといえます。2022年8月時点で、日本には約3,800社の上場企業があります。

経営者のほかに多い職業としては、開業医・医師・歯科医・大学教授・弁護士・マンション経営者・上場企業および大企業の役員などが挙げられるでしょう。

一代で財を築いたニューリッチは、オールドリッチに比べて消費意欲が高い傾向があるようです。消費や投資を通して企業にビジネスチャンスを与え、日本経済を回しているといってもよいでしょう。

参照:上場会社数・上場株式数 | 日本取引所グループ