h2noは何かの化学記号?と思われる方も多いのではないでしょうか。h2noはパタゴニアが独自基準で開発した登山などで雨天に強い防水透湿素材の総称です。ここではh2noの特徴や開発の歴史、ゴアテックスとの違い、おすすめのレインウェアなどを紹介します。

目次
h2noとは?
h2noパタゴニアブランドの製品

h2noとは?

h2noはパタゴニアの独自防水素材

H2noって何?パタゴニア独自の防水素材を解説!気になるゴアテックスとの比較も!
(画像=出典:rukuten.co.jp、『暮らし〜の』より引用)

h2noとは化学記号のようですが、アウトドアブランドのパタゴニアが、防水性と透湿性に独自で設けた基準をクリアした素材につけた総称です。

透湿性とは湿気や蒸れを逃す性能のことで、登山では非常に汗をかくので大変助かります。また雨天時に着衣や靴が濡れてしまい体温が低下してしまう命の危険を防止するのが防水性です。

つまり、h2noが持つ防水透湿性は登山者には、遭難や体力消耗を防ぐ必須のレインウェアアイテムになります。


h2noはゴアテックスとは違うの?

h2noもゴアテックスも、どちらも防水透湿性に優れた素材の総称ですが、h2noはパタゴニア社がゴアテックスはゴア社が開発した素材です。

h2noとゴアテックスの性能や耐久性などの違いや比較は、後ほど詳しく解説しますのでここでは省略しますが、どちらも登山をする人にとっては雨や水を防ぐ素材として重要なアイテムと認識しておいてください。

h2noパタゴニアブランドとは?

H2noって何?パタゴニア独自の防水素材を解説!気になるゴアテックスとの比較も!
(画像=出典:pixabay.com、『暮らし〜の』より引用)

h2noを開発したパタゴニアは、アルピニズム(登山愛好)を企業の中心理念にしてレインウェアや登山クライミング用品、スキーや防寒で活躍するダウンジャケット、セーターや帽子、Tシャツまで展開する米国のアウトドアブランドです。

またh2noパタゴニアは「故郷である地球を救うためにビジネスを営む」を企業理念にかかげ、環境に配慮するためコットン素材はすべてオーガニックにしたり、リサイクル素材の開発にも積極的に取り組んでいます。


パタゴニアは南米の地方名

H2noって何?パタゴニア独自の防水素材を解説!気になるゴアテックスとの比較も!
(画像=出典:pixabay.com、『暮らし〜の』より引用)

h2noパタゴニアは、トレントシェルなどの人気商品を販売する米国のファッションブランドと思っている方も多いのですが、パタゴニアは南米大陸の最南端、チリとアルゼンチンにまたがる地方名なのです。米国の企業が地の果てとも言われるパタゴニアをブランド名にしたのは何故でしょう。

創業者は南米のパタゴニア地方の山々を登ったことがある登山家で、パタゴニア地方の大自然の魅力を存分に知っているからこそブランド名を「パタゴニア」にしたと言われています。

h2no名称の意味

素材名の「h2no」が化学記号のようなのには理由があります。h2noは防水性と透湿性に優れた素材です。水の化学記号は「H2O」で、水を防ぐ・水を拒否するという意味は「H2O・NO」になります。

「H2O・NO」の真ん中の「O」を省き合成して小文字にするとなんと「h2no」になるではないですか。つまりh2noは、防水透湿性を象徴するため化学記号をもじった名称なのです。米国らしいウイットを感じます。


h2noパタゴニアの歴史

H2noって何?パタゴニア独自の防水素材を解説!気になるゴアテックスとの比較も!
(画像=出典:pixabay.com、『暮らし〜の』より引用)

パタゴニアは1957年にイヴォン・シュイナードが、ロッククライミング用具の製造と販売を行うために米国カリフォルニア州ベンチュラで創業しました。

初めは自宅の裏庭を作業場にし、そこで作った用具を車で売りさばく毎日でしたが、少しずつ需要が増えてきたころに航空技師のトム・フロストと出合い一緒に仕事をするようになり成長と進化の歴史が始まったのです。

h2noパタゴニアの誕生

イヴォンとトムは、自分たちが作り販売しているロッククライミングの道具が岩を破壊していることに気づき、それ以来環境保護について考えるようになったのです。

その結果1972年にハンマーを使わずに手で使うチョックを開発、これが大ヒットとなり一躍脚光をあびるようになりました。翌年1973年にはアウトドア衣料品部門「パタゴニア」ブランドを立ち上げました。こうしてh2noパタゴニアが誕生したのです。

h2noパタゴニアの成長と進化

H2noって何?パタゴニア独自の防水素材を解説!気になるゴアテックスとの比較も!
(画像=出典:unsplash.com、『暮らし〜の』より引用)

1985年に、毛玉にならない両面起毛のシンチラ素材を開発しました。これが軽量で耐久性・防湿性・防寒性・速乾性に優れたフリースでh2noの原点となっています。

また従来のアウトドアウェアは、ダークトーンのメンズが主流だったのに対しパタゴニアはコバルトやフレンチレッドなどの鮮やかなカラーを取り入れ、ファッション性を備えることでメンズだけでなくレディースも人気のアウトドアウェア・ブランドに成長したのです。

h2noパタゴニアの環境保護

h2noパタゴニアの企業理念「私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む」にあるように、1996年以降のコットン素材はすべてオーガニック・コットンを使用し、2005年以降には、自社製の下着類を回収してリサイクル素材とし開発、新品に活用するシステムを構築しました。

h2noパタゴニアの環境保護への取り組みは、南米最南端で大自然がそのまま残るパタゴニア地方の環境を保護する思いに相通じるものがあるのではないでしょうか。

h2noパタゴニアブランドの製品

レインウェアのトップブランドであるh2noパタゴニアの製品は、現在でも進化し続けています。それはパタゴニアの製品は独自基準のh2noパフォーマンス・スタンダードという製品保証で高レベルのパフォーマンスの持続性が守られているからです。

h2noパフォーマンス・スタンダードとは

H2noって何?パタゴニア独自の防水素材を解説!気になるゴアテックスとの比較も!
(画像=出典:unsplash.com、『暮らし〜の』より引用)

h2noパフォーマンス・スタンダードとは、防水性・透湿性・耐久性の最高レベルの厳しいテストに合格した素材であることを証明する規格のことです。

「素材ラボ」では、防水性は小雨と豪雨の連続シミュレーション、高圧水を素材表面に当てるテスト、透湿性は水蒸気透過率(MVTR)を計測確認し、耐久性は「キラーウォッシュ」で長期使用や酷使に耐えられるかを厳しくテストします。合格した素材のみがh2noパフォーマンス・スタンダードと認定されるのです。

h2no耐久性向上への新たな取り組み

長年ウェア業界では、長期の使用で素材が劣化し寿命がダウンすることが課題でした。この課題にh2noパタゴニアが取り組む中で、ポリウレタン素材の一部が加水分解(蒸し暑い環境下で起きる分解反応)を起こし耐久性を劣化させ寿命を低下させることを発見したのです。

パタゴニアは、この反応に確実に抵抗できる測定基準をh2noに新たに取り入れ、最新のh2no製品の寿命をのばすことに成功しました。

自然環境保護・回復への取り組み

H2noって何?パタゴニア独自の防水素材を解説!気になるゴアテックスとの比較も!
(画像=出典:pixabay.com、『暮らし〜の』より引用)

1985年以来パタゴニアは、売り上げの1%を自然環境保護のために利用することを誓約しています。これまでに米国内外の草の根環境保護団体に総額約8900万ドルの寄付を行ってきました。

また2002年に創設者のイヴォン氏とブルー・リボン・フライズ社のオーナーのクレイグ氏は、共同で自然環境保護を目的とする非営利団体「1% for the Planet」を設立し、世界中から賛同する企業の参加を募っています。