大学サッカー出身者の割合に変化

変化が見られたのは、大学サッカーを経験してからプロになった選手の割合だった。2018年と2022年のW杯日本代表メンバーを比較すると、大学サッカー出身者の割合が約3倍になっている。

2018年ロシアW杯メンバーの中で、大学サッカー出身者は東口順昭(新潟経営大学)、長友佑都(明治大学)武藤嘉紀(慶応義塾大学)の3名であった。

一方、2022年カタールW杯メンバーでは、シュミット・ダニエル(中央大学)、長友佑都(明治大学)、谷口彰悟(筑波大学)、山根視来(桐蔭横浜大学)、守田英正(流通経済大学)、伊東純也(神奈川大学)、三笘薫(筑波大学)、相馬勇紀(早稲田大学)、上田綺世(法政大学)の9名になる。

日本代表選手、大学出身者割合

ひと昔前、日本において大学サッカーの注目度は低かった。というより、大学サッカーからプロへいこうとする選手の数が少なかった。しかし近年は各大学、設備等のハード面から強化をし、多くの優秀な選手を輩出している。高校時代に特段注目を浴びる選手でなくても、大学へ進みトレーニングを重ねることで一気にステップアップする選手もいる。

守田英正は、その1人である。金光大阪高校時代は全国大会出場は無く、流通経済大学へはセレクションを経て入部した。4軍からスタートし、次第にステップアップを図り、大学4年時には現代表でもチームメイトである三笘薫ともにユニバーシアード代表に選出された。また、第66回全日本大学選手権(インカレ)でも流通経済大学は優勝し、守田自身も最優秀選手を受賞した。セレクション入部から始まった彼の大学サッカーは最高の形で終わり、翌年から川崎フロンターレに入団。入団以降、欠かせない戦力となり、今や日本代表に欠かせない選手へと成長した。

JUFA(全日本大学サッカー連盟)写真:Getty Images

近年、大学サッカーは、関東大学サッカーリーグを筆頭に様々な取り組みを行っている。例えば、慶応義塾大学と早稲田大学による定期戦である。通称「早慶クラシコ」と呼ばれ、毎年9月~10月の間に実施。2022年は73回目を迎えた。コロナ禍以前の2018年には観客動員数が1万7,000人を越えてJリーグの平均観客動員数を上回り、大学サッカー界でも注目を浴びる試合となっている。

Jクラブにも引けを取らない設備と環境で、大学所属の選手たちは日々トレーニングを積んでいる。そのような環境に進み、プロとして即戦力になるような選手がこれからもっと出てくるだろう。

日本代表の各メンバーを応援するとともに、“推し”選手の出身校の試合を見に行ってみるのも面白いかもしれない。