2. ヘラヘラと相手の無礼を許す

相手から舐めた態度を獲得するのは、常に礼儀の境界線を超えた時に起こる。どれだけフランクな人間関係でも、決して超えてはいけない一線がある。そこを超えたのにも関わらず、ヘラヘラと非礼を許し続けることで、いつしか心の領空侵犯が常態化する。

筆者はどうも優しそうに見える事が多いようで、かなり舐められやすいタイプに見られてしまう。そのため、一部、こちらの善意に漬け込んで非礼に及ぶ輩と出くわすことがある。その時の対応方法としては、一線を超えたと感じた時点で即・損切りである。

お互いにリスペクトのない人間関係は長続きしない。そこを理解しない相手に礼儀を尽くすリソースは多くの場合はムダになる。まして優しく笑顔で対応する必要などない。

3. 反撃しない

相手を舐めてバカにするような態度を取るには、それだけの理由がある。それはつまり、「相手から反撃がない」という前提に立脚している。

時々誹謗中傷関係のニュースで取り上げられる事例として、リアルではとても大人しい人でも、ネット上で匿名性という傘(実際にはオンラインのほうがリアルより匿名性はないのだが)に守られていると錯覚し、牙をむくというものがある。

彼らをそのように駆り立てる原動力は、相手から反撃を受けないと勘違いである。もしも、インターネットが今より明確に「匿名性がない」という認識が共有されたなら、誹謗中傷の数はかなり減ると予測できる(もちろん、ゼロにはできない)。なぜなら、相手から直接的な反撃を受け、なおも攻撃を続けられるメンタルタフネスに溢れた人など、世の中にほとんどいないからである。

相手から舐められている人は、「tit for tat(しっぺ返し)」、つまりは上手な反撃の方法を知らないケースが多い。ここでいう「反撃」とは、拳を伴うような暴力ではない。相手からの非礼を受けた際に、笑って流すのではなく、「あなたはなぜ、そのような行為に出たのですか?」「こちらは不快になりました。その行動の理由を説明してください」などと詰問するだけでいい。その際、決してヘラヘラせず、冷静かつ毅然と伝えるのだ。相手はよもや言い返してくるなど夢にも思わず、たじろぎ、以後は軽々しく舐めた態度を取ることもなくなるだろう。

夫婦間でも、家族でも友達でも相手からのリスペクトを欠いて、舐められたら崩壊の始まりである。偽りの強さで虚勢を張る必要はないが、少なくとも舐められる態度を慎むことで自ら立場を下げるリスクを低減できるだろう。

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(画像=『アゴラ 言論プラットフォーム』より 引用)

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文・黒坂 岳央/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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