自分が実際に見たさかなをビビットな色合わせでダイナミックに表現する、沼津市公認おさかなアートクリエーターの鈴木翔太君(以下、翔太君)の作品を紹介するとともに、おさかなアートや海のこと、最近の出来事などについて掘り下げてインタビューする連載企画「おさかなアートクリエーター・鈴木翔太、今月の1枚」。
今月は、翔太君の地元である静岡県沼津市の港にあるお店へ設置する、海ごみ問題を伝える看板を制作したことから、翔太君の考える海ごみ問題との向き合い方についてお話をお伺いした。また、サメ好きが集まるイベント「サメサメ会議2022シンポジウム」に参加したイベントの様子もお届け。
今月の1枚!翔太君の最新作
アカオビハナダイ
![[連載]できることからすぐ行動。翔太君の海ごみ問題に対する考えとは](https://cdn.moneytimes.jp/600/600/tGOAAiOsCQDCZASOobhKxvOmUbfnlvtP/71747b55-982f-4282-a91c-821f61a7fc27.jpg)
翔太君 ごみの中で暮らすアカオビハナダイを描きました。後ろにはごみでできた魚が泳いでいます。
編集部 アカオビハナダイとごみでできた魚が泳いでいる対比が、ごみ問題の深刻な状況を訴えているようですね。こだわったポイントはどこですか。
翔太君 ごみでできた魚のごみの素材です。体の部分にはマイクロプラスチックをちりばめてみました。
![[連載]できることからすぐ行動。翔太君の海ごみ問題に対する考えとは](https://cdn.moneytimes.jp/585/312/ADEOUYTjhbzmmyHERzlEaRsPbUuuOjMO/a98f5182-a759-490f-bbf0-f95de745ddc9.jpg)
地元・沼津の海洋ごみの深刻さをアートの力で表現
10月の初め、沼津港にあるアートが堪能できる和風Cafe「ねこやさん」に設置する、海ごみ問題を訴える看板「ゴミを捨てないで」を制作した翔太君。看板を制作するにいたった背景や、この看板に込めた思いを伺った。
![[連載]できることからすぐ行動。翔太君の海ごみ問題に対する考えとは](https://cdn.moneytimes.jp/600/400/TaBrDcBSgabyQOSBJCHNwewHfMUAwQnz/bff6336f-88ea-4ffc-9b26-f2bd439bb845.jpg)
編集部 どのような経緯で看板を制作することになったのでしょうか。
翔太君 1年ほど前に、店主である圭三(けいぞう)さんから「海ごみをなくしたいから看板を作ってほしい」とお願いされたことがきっかけでした。
編集部 沼津の海でも、プラスチックごみなどの海洋汚染が問題視されているのですか?
翔太君 問題視されています。海が近いのでごみが海に落ちているのもよく見るし、砂浜を見たらマイクロプラスチックが沢山あります。沼津市の小学校では、4年生の社会科見学でクリーンセンターを見学しごみについて勉強しています。
編集部 翔太君自身、地元の海をはじめ、日本全体の海ごみ問題についてどう感じていますか。そして、どのようにしてこの問題と向き合っていきたいと考えていますか。
翔太君 2050年には魚の量よりもごみの量が上回ると聞いて驚きました。僕は最近、「沼津を世界一キレイにする会」が、毎週日曜に開催する沼津港付近で行われるごみ拾いに参加しています。毎回は行けないのですが、自分もなにかできないかなと考えて参加を決めました。海洋ごみ問題はこれからの地球にとって大切な問題です。ひとりでも多くの人が興味や関心を持って、今できることを行動できたら良いなと思っています。
編集部 看板の絵を拝見すると、まるで隠し絵のようにスプーンやフォークなどのごみが散りばめられてできた魚の絵のように見えます。どんなごみがこの絵の中に隠れているのでしょうか。
翔太君 はい、海に捨てられたごみでできた魚をアートで表現しました。写真だと分かりにくいのですが、魚のからだにクギを打っていて、他にも釣り具やビニールなどのごみを描いています。魚の目は、ペットボトルのキャップで表現しました。背景には、海に漂うマイクロプラスチックを描きました。
![[連載]できることからすぐ行動。翔太君の海ごみ問題に対する考えとは](https://cdn.moneytimes.jp/600/321/ZlnXzirBoltYSQFXvVjpQAsXoXUeHbth/a4439c5c-81c8-46b0-837c-de8dfd331d75.jpg)
編集部 どんな想いを込めてこの看板を描かれたのでしょうか。また、看板を見た方にはどんなことを感じてほしいですか。
翔太君 僕一人の力だけではごみはなくならないので、看板を描きました。なので、この看板を見て、「自分も何かできることがないかな?」と考えて、一人ひとりが行動してくれるきっかけになったら嬉しいです。