岩の原葡萄園でワインを学ぶ

最初に訪れたのは、岩の原葡萄園。"日本のワインぶどうの父"と言われる川上善兵衛が開いた葡萄園です。
この地域は、昔から豪雪に悩まされ、河川の洪水による被害もあり、農業は困難を極めました。善兵衛は14歳で東京に行き、川上家と親交があった勝海舟に知見を求めました。海外の話を聞くうちに、ワインの葡萄が荒地でも作れると知り、田畑をつぶさず葡萄を作れると考え、葡萄園をスタートしたのは明治23(1890)年でした。
農閑期に作業ができれば、小作人に給料を支払えると思っていましたが、雪が多く、葡萄の木が折れてしまいます。新潟は、フランス・ボルドーと気温は変わらないものの、降水量はボルドーの2倍。
「ならば、日本の気候に合う葡萄を作るしかない」と13,011回もの交配を繰り返し、ついに「マスカットベリーA」を生み出しました。さらに凄いのは、見学に来た方には、苗木を無料で提供していたこと。そのおかげで、マスカットベリーAは全国に広がったそうです。(だから、あちこちでマスカットベリーAのワインを見かけるんですね!)
そして、その後も新しい品種を次々と開発し、22もの品種を世に送り出したとか。

こちらは雪室。冷却設備の無い時代、ワイン熟成庫に雪室を併設し、雪を保存して雪による冷却を実現したものです。2005年に復活し、現在も冷却やワインの熟成などに活用されています。

雪室の隣にある石蔵は、年間を通して室温が一定になるよう、半地下式の構造になっています。
施設を見学したあとは、お待ちかねの試飲タイム♪

無料で試飲できるワインと、有料のものがあります。

せっかくなので、スタッフおすすめマークが付いた「HERITAGE(ヘリテイジ)300円」をいただきました。
うーーーーん、想像していたよりも濃厚で美味しい♪
マスカットベリーAといえば、軽くていちごジャムのような甘い香りと味が特徴だと思っていましたが、さすがにヘリテイジは全然違いますね。
岩の原葡萄園のワインは、2019年のG20大阪サミットで振舞われたほか、日本ワインコンクール2022金賞、FEMINALISE世界ワインコンクール2022金賞など、数々の賞を受賞しています。

試飲のあとはお買い物ですよね!たくさんの種類があるので、どれにしようか迷います・・。2階にあるレストラン「金石の音(きんせきのね)」も気になったので、ぜひまた訪れたいです。
岩の原葡萄園
- 住所:新潟県上越市北方1223番地
- TEL:025-528-4002
- 見学ツアー:11:30スタート、先着20名(事前予約制、参加は無料)
上越酒造で日本酒を学ぶ

続いては、創業文化元年(1804年)、200年以上続く上越酒造の酒蔵見学です。今年から新しい設備での日本酒造りが始まりましたが、見学では昔ながらの雰囲気を体感できます。
案内してくださったのは、工場長の川口さん。
酒造りの技術は、室町時代に確立されたもので、麹菌を使うのは日本独自だそうです。そして、2021年12月に日本が誇る文化として国の無形文化財に登録されました。
【酒造りの工程】精米 → 洗米・浸漬 → 蒸米 → 麹づくり → 仕込み → 上槽・熟成

麹づくりは特に重要な工程で、繊細な温度管理のために、昼夜問わず見守りが必要だそうです。



当時の様子を聞きながら昔の道具を眺めているうちに、タイムスリップしたような気持になりました。
そして、お待ちかねの試飲タイム。

今回いただいたのは、4種類の越後美人。
- 純米酒
- 吟醸酒
- 純米吟醸酒
- 純米大吟醸酒 私が好きな味は「純米酒」。フルーティだけど、スッキリしていて、食事にも合いそうな日本酒でした。
4種類もいただくと、さすがにほろ酔い気分ですね・・・。

店内に、昔使っていた大きな樽がありました。裏はどうなっているのかな、と気になって覗いてみたら、トイレの入口になっていました。そんな再利用が素敵でした。
上越酒造
- 住所:新潟県上越市飯田508
- TEL:025-528-4011
- 営業時間:9:00~17:00
- 酒造見学:約30分(無料)、事前予約制