人生100年時代、老後も仕事を続けたいという人も多いのではないだろうか。人によって仕事を続ける理由はさまざまだが、定年退職後にアルバイトをする場合は注意が必要だ。ここでは、定年後に働くメリット・デメリットや、事故が起こる可能性の高い定年後アルバイトを紹介する。

定年後に働くことのメリット・デメリット

メリット 収入面でプラス、生きがいにもつながる

老後に働く最大のメリットは、収入だろう。仮に60歳で定年退職しても、現在の公的年金の支給年齢は65歳からなので、5年間は無収入の状態になる。定年後も働くことを選択すれば、一定の収入が得られ金銭面の不安も軽減されるだろう。年金以外の収入があれば、もしものときに備えて予備資金を蓄えることもできる。他にも、働くことが健康維持や生きがいにつながるという人もいるだろう。

デメリット 給与や健康面、年金カットの可能性も

老後に働くことには、デメリットもある。収入面では、現役時代より給料が下がるケースが多い。高齢になるほど、身体への負担も大きくなる。また、給与額によっては年金がカットされる可能性があるので要注意だ。具体的には、60歳~64歳は月額28万円以上、65歳以降は月額46万円以上の給与があると、年金が一部または全額もらえない場合がある。

危険な定年後アルバイト3選

定年後も元気なうちは働き続けたいというシニアが増えている。シルバー人材センターや一般企業はその受け皿としてシニアアルバイトを募集している。

しかし、シニアが定年後に従事するアルバイトには意外と危険な作業が多いのが実情だ。この記事では、シルバー人材センターなどの情報をもとに危険度が高いアルバイトを3つご紹介する。

1位:樹木の剪定等

シルバー人材センターによれば、2022年度の重篤事故(死亡または1~6ヵ月の入院および後遺障害事故)が最多の危険度1位のアルバイトは「樹木の選定等」である。

<事故の原因> ・高所からの転落 ・ハチの毒によるアナフィラキシーショック ・熱中症 など

「高所からの転落」は2021年、2022年1~7月ともに重篤事故の原因ダントツ1位であり、大腿部骨折などの大けがが多い。また、虫刺されによるアナフィラキシーショックでは死亡者も出ており、この作業が大きな危険を伴うことは一目瞭然だ。

2位:除草作業

シルバー人材センターで重篤事故が多い危険度2位のアルバイトが「除草作業」だ。

<事故の原因> ・斜面からの転落 ・ハチの毒によるアナフィラキシーショック ・蛇の毒による重篤な体調不良 ・熱中症 ・草や石のカケラなどが目に入る など

こちらも転落やハチに刺される事故、熱中症が多いが、毒蛇に咬まれる事故も発生している。また、草や石のかけらが目に入って失明したケースもあり、危険度が非常に高いといえる。

3位:屋内・屋外の清掃作業

シルバー人材センターの重篤事故多発アルバイトの3位は「屋内・屋外の清掃作業」である。

<事故の原因> ・スリップによる転倒 ・階段からの転落 など

清掃後の滑りやすい床や階段では転倒や転落のリスクが高くなるが、足腰が衰えたシニアはそのリスクがさらに上がる。それが作業中の重篤な事故につながりやすいことは言うまでもないだろう。