2014年5月18 日に開催された第1回大阪オープン・フィジーク選手権大会。有馬康泰さんは173cm 以下級で優勝を飾ったものの、その仕上がりには納得できずにいた。だが、そこから脂肪を付けずに5kg もの増量に成功。2014年8月31 日の日本メンズフィジーク選手権大会のステージでバルクアップした肉体を披露した。たった3 カ月の間でいかにして体を変化させたのか。その秘密を聞いた2015年に行ったインタビューを紹介する。
文:藤本かずまさ 写真:北岡一浩、中島康介(コンテスト)
ーー 昨年5月の大阪オープンフィジーク選手権から8月の日本メンズフィジーク選手権までの3カ月間に5㎏も増量されました。
有馬 大阪オープンフィジークのときは大会前日に67㎏台で現地入りしました。でも、大会当日と前日に水分と塩分を過剰に抑えすぎました。大会当日の朝は65㎏ちょっとまで体重が落ちて、鶏ガラみたいになっちゃったんです。
ーー 筋肉もまったくパンプしない状態だったのですか?
有馬 これはまずいと思って塩分、炭水化物を取ったんですが、パンプアップしようとしても筋肉が全然張りませんでした。水分も足りていないので、バックステージであらゆる筋肉がつってしまって。全体を通して、大会当日の体調が一番悪かったです。終わった後に、これって最悪だなって思いました。
ーー そこで見直しが必要になってきたんですね。
有馬 例えば、大会の1週間前に仕上がっていればカーボローディングとかは行わず、そのまま出場したほうがいいんじゃないかと思ったんです。トレーニングをしたときは筋肉は張りますよね。それに近い状態でステージに立ちたいと思いました。また、オープンフィジークの告知があったのが確か大会の3カ月ほど前で、期間が短くて減量が間に合わないという人もけっこういたようなんです。8月の日本メンズフィジーク選手権に大きな選手がたくさん出てくると、この状態では勝てない。ならば、できるだけ体を大きくしたいと思ったんです。
ーー バルクアップする際に、ある程度体脂肪が増えてしまうのは仕方がないといわれています。
有馬 多くの管理栄養士さんも、筋量を増やすには脂肪がついてもいいから糖質をたくさん取って、がんがんトレーニングをやって、そこから絞ったほうがいいということをセミナーで言っています。でも、ぼくは仕事柄、あまり脂肪をつけたくないので、皮下脂肪をできるだけつけないようにしながら増量していこうと考えました。多分、今回の増量では、体脂肪率は10%台にいってないと思います。また、自分でも大きくなったことを実感できています。