トランク容量は213Lで、ソフトトップを閉じ他状態では約240Lに拡大される。
パワーユニットは、メルセデスAMG C43と共通の2.0Lの直列4気筒エンジンだ。4気筒エンジンとして初めて「One man, One engine」の主義に従い熟練のマイスターが手作業で丹念に組み上げる「M139 DE20AL」を搭載している。SL 43は最高出力381ps(280kW)、最大トルク480Nmを発生。レーシングエンジンと同レベルの高出力エンジンとなっている。
シリンダーブロックはクローズドデッキ構造で、高燃焼圧に耐えるようになっている。燃料噴射はポート噴射・直噴併用式だ。なおこのエンジンは最高は475psまで発揮できるポテンシャルを持ち、2.0Lの4気筒としては世界最高の量産・超高出力エンジンということができる。
このエンジンは 量産車としては世界初となる電動ターボチャージャーを採用している。このターボチャージャーはF1由来の技術だ。48Vの電動ターボは、厚さ約4cmのモーターが排気タービンと吸気側コンプレッサーホイールの中間の軸受け部に配置され、その下部にECUが一体装着されているというレイアウトだ。
この電動ターボにより、排気ガス流量が少ない時でもモター駆動により過給を行ない、低速トルクを向上され、エンジン・レスポンスも最大限に高めることができるのだ。
またこのエンジンは48Vのベルト駆動のスタータージェネレータによるマイルドハイブリッド・システムを搭載。短時間の出力ブーストのほか、減速時には回生ブレーキ電力を回収することができる。
トランスミッションには、従来63モデルにのみ搭載されていた「AMGスピードシフトMCT」(9速オAT)を採用。トルクコンバーターの代わりに湿式多板クラッチを搭載し、ダイレクト感のある素早いシフト チェンジと高い伝達効率を実現している。シフトダウン時の 自動ブリッピング機能やレーススタート機能によってダイナミックな走りができるのも特長だ。動力性能は、0-100km/h加速4.9秒、最高速度275km/hに達する。
さらに、高速走行時などにアクセルから足を離すとエンジンとトランスミッションを切り離して燃料消費を抑えるセーリング機能の採用によって燃費を優先する「Comfort」、よりスポーティなドライビングが楽しめる「Sport」、「Sport+」、「RACE」、 滑りやすい路面を安全に走行する「Slippery」、様々なパラメーターを個別に設定できる「Individual」の6つのモードを備えている。
サスペンションは、前後ともリンク類、ハブキャリアを含め鍛造アルミ製の5リンク式を採用。特にフロントはAMG初の5リンク式で、フロントはインホイール式のデュアルピボット構造とすることで仮想キングピン軸を持ち、さらに5リンク式により横剛性を向上させている。
またサスペンションの軽量化も重視され、軽量なスプリング、中空の可変厚スタビライザーなどを装着している。
ダンパーは、最新世代の伸圧2方向の可変調整式とし、加速センサーやスピードセンサーのデータをもとに4輪独立制御されるセミアクティブ・ダンパーとなっている。もちろんサスペンションは、AMGダイナミックセレクトのドライブモードにより自動調整されるが、独立した3段階の調整も可能なスイッチもそなえている。
ドライビングの運動制御は、統合型車両運動制御システムのAMGダイナミクスを搭載。ブレーキ・トルクベクタリング、ESCの制御特性をモードに合わせて選択することができ、アマチュアからプロドライバーにまで適合させることができる。
メルセデスAMG SL 43は、他のメルセデス・ベンツのモデルと同様に最新の運転支援システム、コネクテッド・サービス、音声アシスタント・システム、360度カメラなどもフル装備していることはいうまでもない。
価格
提供・AUTO PROVE
【関連記事】
・BMW M550i xDrive (V型8気筒ツインターボ+8速AT:AWD)試乗記
・マツダ3e-スカイアクティブ X試乗記 トップグレードエンジンの進化
・トヨタ ヤリスクロス試乗記 売れるクルマ(1.5Lハイブリッド4WD)
・ホンダ N-ONE試乗記 走りが楽しいRS(FF 6速MT、CVT、ターボ&NA)
・スズキ ソリオバンディット試乗記(1.2LMHEV CVT FF)