「母との悲しい別れ」が開発の原動力に

アクシャイ・ディナカール氏は、母親をがんで亡くすという悲痛な経験をしました。

ところが母親の入院中、彼は十分なコミュニケーションを取ることができなかったといいます。

ディナカール氏と母親
Credit:Tangible Teleportation

なぜなら新型コロナウイルスの感染対策で、ディナカール氏には訪問制限がかかったからです。

闘病生活を送る母親をハグして励ましてあげることさえできなかったのです。

彼にとって従来のビデオ通話は、「イライラするほど二次元的で、母親の存在を余計遠くに感じさせるもの」だったようです。

そして母親を失ったディナカール氏は、同様の経験をしている世界中の家族やカップルのために立ち上がることにしました。

タンジブルが開発されたのは、遠く離れた家族や恋人の存在をよりリアルに感じさせるためだったのです。

そして、この思いは実験で多くの人に伝わり、利用者たちは高い満足感を得られたようです。

タンジブルの利用者たち。触れ合いによって笑顔に
Credit:Tangible Teleportation

画像でも、愛する人との繋がりを体感できる喜びが表情にあらわれているのを確認できますね。

現在、タンジブルはクラウドファンディングサービスKickstarterで支援募集中です。

179ドル(約2万6000円)の支援で、タンジブル通常サイズを2つ入手できます。

ディナカール氏の願いどおり、タンジブルは寂しさを感じている世界中の人々の「心の距離」を縮めるものとなるはずです。

もちろん、メタバースや配信サービスで「推し」と抱き合うために購入しても良いでしょう。

参考文献

Tangible: Feel physically present with far-away loved ones