また、これって「会社」とか「経営」単位の話だとわかりやすいけど、「社会」「国」レベルで見ると、現在世界的に「あらゆるリベラル的なもの」が陥っている難しさの根本に共通するものがあるように思います。

もしあなたがそういう「リベラル」の人だとして、あなたはあなたが関わっている問題意識の社会との接点において、「現場の良心さん」と「老害さん」を一緒くたに「敵」にしてしまっていないか?を考えてみると良いかもしれません。

自分の「敵」は品性下劣な下等人間で、俺たち輝ける正義の志士によって既得権益が脅かされるのを嫌って抑圧してくる極悪人なんだ・・・・という態度でいると、その「一緒くたな態度」によって、「排除すべき老害さん」だけじゃなく「現場の良心さん」までがあなたの「敵」になってしまいます。

そこで「相手の事情」を知ること。理解すること。しかし理想は諦めないこと。その態度が、「老害さんと現場の良心さん」を選り分けるプロセスへあなたを導くでしょう。

そのプロセスの中から、過去数百年の欧米型のムーブメントの成果には敬意を払いつつ、「その限界」を東洋的に補完するような新しいムーブメントも、今後日本発で生み出していけるはずだと私は考えています。

それではまた、次の記事でお会いしましょう。ブログ更新は不定期なのでツイッターをフォローいただくか、ブログのトップページを時々チェックしていただければと思います。

また、この記事で書いた問題をより深掘りして、日本社会の「課長さんたち」にあたる人々に行動パターンを変えることから経済全体の連動パターンを変え、トランプvs反トランプ的な行き場の無い分断を現地現物に解決する方法について模索した追加文章があります。アメリカ的な経営のあり方が「どこ」で間違いがちなのか。そこで日本が貢献できることがあるとしたら何なのか?「個」と「全体」、「理論」と「現実」との間の新しい関係を取り結ぶことで見えてくる「新しい静かな革命」について、あるいは「文脈や空気を読む力」だけが過剰に「知性」扱いされるここ20年の過ちについてなど、力作なのでぜひお読みください。

上記の追加文章をまとめた図も先にここにも掲げておきます。

日本から老害を一掃して残業を減らす唯一の方法
(画像=『アゴラ 言論プラットフォーム』より引用)

倉本圭造
経済思想家・経営コンサルタント

文・倉本 圭造/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

【関連記事】
「お金くばりおじさん」を批判する「何もしないおじさん」
大人の発達障害検査をしに行った時の話
反原発国はオーストリアに続け?
SNSが「凶器」となった歴史:『炎上するバカさせるバカ』
強迫的に縁起をかついではいませんか?