今、中古車市場に注目が集まっている。中古車の需要が増えており、ポルシェのような高級車も、衝撃の安さで中古車市場に出ている。そこで気になるのが、安い価格で販売されている理由だろう。

ここでは、ポルシェの中古車市場の現状や安さの理由について解説する。

ポルシェの中古車の値段はどれくらい?

まずは、ポルシェの中古車がどれくらいの値段で販売されているのかを見ていこう。ポルシェの中古車にもさまざまな価格帯があるが、安いものでは次のような車がある。

2018ポルシェ 718Boxster  710万円
2018ポルシェ 718Cayman  750万円
2017ポルシェ Panamera4S 890万円
2018ポルシェ MacanGTS  828万円
2019ポルシェ Cayenne S 998万円
(ポルシェジャパン:ポルシェ中古車検索ロケーター調べ)

調べてみると、ポルシェのさまざまな車種で1,000万円以下のものが販売されていることが分かった。思ったより安いと感じる人も多いのではないだろうか。

年式や走行距離に注意、衝撃の安さの理由とは

上記ではポルシェジャパンの値段を記載したが、系列店でない場合、さらに低い金額になることも多い。では、ポルシェなどの高級車でも、中古車が安くなるのはなぜだろうか。主な理由には、次のものがある。

年式

基本的に、年式が古い車は高級車でも値段が安くなりやすい。

走行距離

走行距離が長い車は部品などが痛むことが多く、値段が安くなりやすい。

事故車

過去に事故を起こした車は、事故歴車と表示の上販売されている。事故車は走行能力に問題はないが、ユーザーから避けられる傾向にあるため、値段が安く設定されている。

修復歴車や冠水車

過去に大きな修理を行った車や水没事故に合った車も、修復歴車や冠水車と表示され販売されている。こちらも、事故車と同様に走行能力に問題がないが、やはりユーザーから避けられやすく、値段が安く設定されている。

不人気車

そもそも人気のない車は、需要が低く値段が安く設定されている。

税金対策で中古車を選ぶ人も

自動車の法定耐用年数は、総排気量が660cc以下の軽自動車は4年、それ以外は6年となっているので、いわゆる「高級車」は購入額を6年に分割して減価償却を行っていくことになります。なおこちらは「新車」の場合の年数で、中古車の場合には下記の式で計算した年数が耐用年数となります。

・中古車の耐用年数:法定耐用年数-経過年数+経過年数×0.2

この式で計算をした場合の中古車の耐用年数は、
1年落ち:5年
2年落ち:4年
3年落ち:3年
4年落ち以降:2年
となります。なお1年未満の端数は切り捨て、年数が2年に満たない場合の耐用年数は2年となります。

新車と中古車のどちらがよいかは好みなどによって分かれるところですが、中古車であれば経過年数が少なく状態が良いと考えられる「4年落ち」を購入するほうが、年間で経費にできる金額も大きくなります。また値崩れがしにくい車種を選べば、減価償却が終了した後に売却して違う車を購入といったことも可能となるでしょう。

中古車選びは慎重に

新車製造の落ち込みや自動車需要の増加により、中古車市場が盛り上がっている。ポルシェのような高級車も、驚きの低価格で出回ることもあるが、安さの裏にあるものは何か、よく見極めることが大切だ。下手に安いものを買うと、メンテナンスコストが跳ね上がるなど「安物買いの銭失い」になりかねないので注意しよう。

文・MONEY TIMES編集部