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サッカー王国静岡に危機が訪れている。静岡には明治安田生命J1リーグからJ3リーグまでに所属する4つのクラブがあり、JFLまで含めれば5つもの多くのクラブチームが存在している。高校サッカーにおいても静岡学園高等学校をはじめ強豪校が多く、数多くのプロ選手そして日本代表選手を輩出してきた。
そんな日本でも指折りのサッカーどころ静岡だが、来2023シーズンは日本におけるトップカテゴリーのJ1リーグにクラブがいなくなる可能性が出てきた。今2022シーズンJ1に所属している静岡県勢は清水エスパルスとジュビロ磐田だが、リーグも終盤を迎える中、現時点この2クラブが自動降格圏(17位と18位)に沈んでいる。残り3試合は決して取りこぼしが許されない状況だ。
ここでは、J1リーグで苦しい状況にある清水と磐田両クラブの2022シーズンここまでを振り返る。
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2022シーズンJ1での現在地(10月17日時点)
清水エスパルス:17位
- 勝ち点:32(7勝11分13敗)
- 得失点差:-8
- 残りの対戦カード:ジュビロ磐田、鹿島アントラーズ、北海道コンサドーレ札幌
ジュビロ磐田:18位
- 勝ち点:28(6勝10分15敗)
- 得失点差:-23
- 残りの対戦カード:清水エスパルス、ガンバ大阪、京都サンガ
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不穏な雰囲気漂うシーズン開幕前
2022シーズン開幕前、清水と磐田はいずれも良い状態とは言えなかった。
清水は前年ほどの大型補強こそなかったが、かつての背番号「10」白崎凌兵をはじめ即戦力を中心に補強。盤石の体制での開幕が期待された。しかし2021シーズンのチーム得点王であるチアゴ・サンタナをはじめ、主力選手の戦線離脱によりいきなり窮地に立たされることとなった。
磐田では、オフシーズンに2021年のJ2得点王でありJ1昇格の立役者であるルキアンがアビスパ福岡へ移籍。元日本代表の杉本健勇ら複数の攻撃的な選手を補強したが、エースの移籍にチームが不安を抱えたのは間違いないだろう。なにより、チーム力向上のための補強ではなく、穴埋めに奔走した結果の補強になってしまったことが残念でならない。
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