北海道は、鉄道の発展と街の成長が、非常に強く結びついている特徴的な歴史背景を持ちます。
それゆえ最盛期には、現在の倍近い長さの線路が開通しており、廃線跡もたくさん残されています。
その中から、「タウシュベツ川橋梁」「手宮線跡地」「札沼線非電化区間」の三つに絞って、それぞれの魅力とおすすめポイントを紹介してまいります。
タウシュベツ川橋梁
北海道の十勝エリアに、糠平湖と呼ばれる湖があります。この糠平湖の近くに国鉄士幌線と呼ばれる昔の線路が開業しておりました。この国鉄士幌線は、人の輸送のみならず、十勝特有の木材、または農畜物などの運搬を行ない、周辺地域の経済発展に大きく貢献したと伝えられています。
糠平湖は、季節によって水位が変わり、1月頃からダムの水が少なくなっていきます。その水位変動に伴って、湖の中に隠れている士幌線の一部「タウシュベツ川橋梁」が見え、幻の橋と言われる所以になっています。
タウシュベツ川橋梁がその全貌を表すのはゴールデンウィークの前後です。
初春は糠平湖の水位が一番低い時期であり、タウシュベツ川橋梁の雄々しい姿が惜しげもなく一望できます。全国的に見ても、季節によってアーチ橋が見え隠れするのはタウシュベツ川橋梁だけのようで、とても有名な観光スポットとなっています。
タウシュベツ川橋梁は北海道の中でも高いところにあり、国道273号線に沿ってへ車で行くことができます。近くには駐車場があり、車を停めてそこから約200m歩いて湖に近づき、歴史あるアーチ橋を見ることができます。周囲の大自然も相まって、非常に幻想的な空間となっていますので是非一度見に行かれることをお勧めします!

手宮線跡地
北海道の中で一番歴史の古い鉄道が官営幌内鉄道です。
官営幌内鉄道は、内陸にある三笠市周辺の石炭を運ぶために作られた線路で、1880年頃に北海道で初めて開通しました。その後およそ100年にわたって歴史を刻んできましたが、1985年に路線が廃線となり、小樽市によって跡地の整備が行われ、全長約1.6kmの散策路として現在の姿に至ります。
小樽市という北海道の中でも比較的都会な都市の真ん中に、まさにノスタルジーという言葉がぴったりな「歴史ある線路」と「沿線に咲き誇る草花」が、観光スポットとしての魅力を一段と引き立てています。
旧手宮線は線路の上に立って写真撮影をすることもOKなので、近年たくさんの方が利用されているSNSにおいても非常に良い写真スポットとなっています。また、国指定有形文化財の日本郵船跡や、北海道鉄道発祥の地である小樽市総合博物館にも、さまざまな鉄道の歴史が学べる展示物が用意されています。さらに散策路の途中に案内板も立っており、歩きながら読むだけで、手宮線の歴史を学ぶことができます。
