猫にとっての一番の幸せ、それは食べることです。

美味しいものを食べている時間が、寝ることや遊ぶことよりも、はるかに至福を感じられます。

とはいえ、何でも食べさせて良いわけではありません。猫の健康を維持しつつ幸せを追及するためには、猫に適した食材が求められます。とりわけ「魚」には要注意であり、最もおすすめしたいのはチキン(鶏肉)とサーモン(鮭)です。

本記事では、
①なぜ魚は要注意なのか
②なぜ「チキン」と「サーモン」がおすすめなのか
について徹底的に解説を進めます。

食べることが大好きな、大切な猫ちゃんのため。ぜひ最後までご覧ください。

※筆者も家猫3匹(保護猫)と地域猫10匹を世話しており、猫が大好きです。一言一句から溢れ出る熱量をお許しください。

この記事がおすすめの方
・猫に「魚」ではなく「チキン」や「サーモン」を食べさせるべき理由を知りたい方
・猫の健康を維持しつつ幸せを最大限追及する方法を知りたい方

目次
【究極の選択】猫が喜ぶのは肉?魚?
猫に魚を食べさせるのはリスクが伴う

【究極の選択】猫が喜ぶのは肉?魚?

【おすすめ】猫の健康を考えた二大食材がチキンとサーモン(鮭)である理由とは?
(画像=『ととクル』より引用)

猫の好物といえば、牛肉・鶏肉などの「肉」、またはマグロ・カツオなどの「魚」が真っ先に思い付きますよね。

この2つを並べた時に、猫が本当に喜ぶのはどちらだと思いますか? 少し考えてみましょう。

………

この質問、日本人であれば、多くの方が「猫は魚の方が喜ぶ」と答えたのではないでしょうか。「お魚加えたドラ猫」という国民的な歌もあるくらいなので、日本では「猫=魚」というイメージは定着していますよね。

なぜ日本で「猫は魚好き」と定着したのか?

ですが、日本以外の国に目を向けると「猫は肉が好き」と考えるのが一般的です。「猫といえば魚」と連想するのは日本人だけということをご存知でしたか。

このイメージは、魚食文化が発展した江戸時代、将軍徳川綱吉が制定した『生類憐みの令』によって国内に猫が急増し、ありふれていた魚を猫が主食としていたことから定着したとされています。

これが、猫の好物を日本人が口を揃えて「魚」というようになった背景です。

猫に魚を食べさせるのはリスクが伴う

つまり「猫は魚が好き」というのは、「魚食文化」を有していた日本人が勝手に思い込んで生み出したイメージにすぎません。そもそも猫は水が苦手です。海や川に生息している魚を狩りの対象とするのは、本能的ではありません。

猫にとって”魚を食べること”は、しばしばリスクを伴います。このことを知らずに、勝手に作り出したイメージに従って魚を頻繁・大量に与えている場合は、すぐにやめるようにしましょう。

猫が魚を食べることは、主に「イエローファット」「チアミン欠乏症」というリスクが伴います。詳細に見ていきます。

イエローファット(黄色脂肪腫)を発症する恐れがある

イエローファットとは、猫が発症することの多い病気の1つで、過度の栄養の偏りにより腹部や胸部の脂肪が変化し、炎症や硬いしこりを生じます。

「不飽和脂肪酸」の過剰摂取により発症することが多いとされており、多く含むのがまさに魚です。例えば多くの魚に含まれてるDHA・EPAは「不飽和脂肪酸」の一種です。適量であれば健康に良いですが、多く含まれている青魚は、絶対に猫に食べさせてはいけません。

イエローファットは大きな痛みが生じます。大切な猫ちゃんのため、注意を払いましょう。

チアミン欠乏症を発症する恐れがある

チアミン欠乏症とは、猫に多い病気の1種で、体内のビタミンB1が枯渇することで発症します。猫は体内にビタミンを蓄積しておける量が少ない反面、多くのビタミンを必要とするため、発症確率が犬と比較しても非常に高いです。

猫の体内ビタミンB1の枯渇は、多くの場合「チアミナーゼ」の摂取によるものです。チアミナーゼは体内のビタミンB1を分解させ、ビタミンB1不足に繋がります。

このチアミナーゼが多く含まれているのが「魚」です。マグロやカツオをはじめ、イカ・タコ・エビ・カニなどの海産物がチアミナーゼを豊富に含んでいます。

加熱処理することで不活性化するため、焼く・茹でるなどの処理をすれば問題ありませんが、知らずに生のまま食べさせているケースも少なくありません。発症すると運動障害や神経症状が起こる病気です。辛い思いをさせないためにも、十分な注意を払ってください。