鈴鹿サーキットを一周。忘れられない思い出に

コースを一周し、西パドックに戻ってくるとヘルメットを脱ぐ。みな満面の笑みを浮かべている。
「こんな機会はほかではできない。最高に良い思い出です」とタンデマーの一人は言う。
しかし本当にリハビリ効果があるのか。
その疑問に長年「風の会」に帯同している医学療法士の井坂先生は
「障害を持つ人には心と体の両方ケアが必要です。ついこもりがちな身障者さんがイベントのために外に出ることによって、気持ちを開放する効果が期待できる。またバイクの後ろは不安定です。そのため目で見て本能的にバランスを取ろうとする。下半身に神経がつながっていなくても気持ちが向くんです。それが良い影響を与えていると考えています」と答えてくれた。
「本人だけじゃなく、家族や同伴者の方々からも『今まで見たことがない気持ちよさそうな顔をして乗っていました。ありがとうございます』と感謝されます。風の会の活動でネガな言葉は聞いたことがない。聞こえてくるのは100%感謝と御礼なんです。この活動を続けない理由はありません」。

また来年、ここで会いましょう!

「何年か前、言葉がしゃべれず手足も動かせないという人を乗せたことがあるんです。パドックに戻ってきたときに、ちょっと片言の言葉を発して、動かなかった腕が動いた。それを見た親御さんが感動で泣いちゃって。こっちも思わずホロっときました」と長年ライダーを務めているプロライダーの方が言う。
身障者の心と身体のリハビリになれば、と20年以上に渡って活動している「風の会」だが、実は元気をもらっているのはこちらなのかも知れないと感じた。

<風の会 協力企業>
・日本二輪車普及安全協会
・鈴鹿サーキット(ホンダモビリティランド株式会社)
・株式会社ホンダモーターサイクルジャパン
・ヤマハ発動機販売株式会社
・株式会社スズキ二輪
・株式会社カワサキモータースジャパン
・MotorradMitsuoka鈴鹿
・株式会社アライヘルメット
・株式会社SHOEI
・株式会社オージーケーカブト
・株式会社カドヤ