畜産の購入率は
「イオン」以上

次に、購入レシートにおけるカテゴリー出現率を分析した(図表2)。
購入率の高い上位15位までのカテゴリーをみると、「MEGAドン・キホーテ」で最も購入されているのは日用品だ。これに、集客目的で低価格販売される「菓子」や「パン・シリアル」などが上位にあがる。
そうしたなか、注目したいのが、「農産」(19.6%)、「総菜類」(15.5%)、「畜産」(14 .6%)などの生鮮品の購入率も高い結果が出ている点だ。とくに「畜産」については、イオンの(13.8%)よりも高い結果が出ている。
一方で、生鮮の中でも「水産」においては、「MEGAドン・キホーテ」は(3.7%:27位)で、イオン(7.8%:9位)、ライフ(12.4%:9位)のほうが購入率は圧倒的に高かった。
そのほか、ディスカウントストア利用者196人のうち、9割以上が「食品スーパーを併用している(91%)」と回答しており、ほとんどの消費者はディスカウントストアと食品スーパーを使い分けていると見られる。
21年の購入点数は
最も高い結果に!

最後に21年1月~12月までの3チェーンのレシートデータを分析し、購入状況を比較した(図表3)。
その結果、「MEGAドン・キホーテ」のレシート1枚平均の購入点数は、6.1点と最も高い結果だった。
またカテゴリー別では、「農産」「総菜」では「MEGAドン・キホーテ」は購入単価が最も安いため、平均購入金額は最も低い結果となっているが、平均購入点数に大差はないことがわかった。
図表2で購入率の高かった「畜産」については、平均購入金額は597円と、「イオン」だけでなく「ライフ」も上回っている。畜産についてのコメントを見ると、「肉のメガ盛りがお得」「肉が大容量で安く売っているのが良い」など、コストパフォーマンスの高さが評価されているようだ。
アンケート回答者の家族構成をみると、「4人以上」は、「MEGAドン・キホーテ」は(27.4%)であるのに対し、「イオン」(21.1%)、「ライフ」(18.8%)とファミリー層に選ばれる傾向がある。
こうしたなか、「単身・夫婦2世帯」の利用者からは、「容量が多すぎて買うのを躊躇することがある」「少量パックの商品も売って欲しい」という意見が見られた。
これらの結果から、かつては“安かろう、悪かろう”という印象が拭えなかったドン・キホーテだが、生鮮食品についても取り扱うノウハウを蓄積し、消費者から着実に支持を獲得していることがわかる。
22年に入って、食品メーカーの値上げが相次いでいる。消費者の節約意識が高まる中、日常的な食品の買い場として、ドン・キホーテはいっそう存在感を発揮していきそうだ。
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