伸びている甘味料とシリアルのロカボ商品に注目売場づくりや訴求のポイントは?

 食品スーパー(KSP-POS)のデータを見ると、ロカボ商品は酒類の構成比が最も大きくロカボ商品の売上の53%を占めており、続いて大きいのが加工食品で24%、次いで菓子類が18%となっている。この中で今回は加工食品に注目してみたいと思う。加工食品におけるロカボ商品の売上は伸びており、カテゴリー別の動きを見るととくに甘味料、シリアルの売上が大きく、伸びていることがわかる【図2】。今回はこの甘味料とシリアルの2つのカテゴリーを分析していきたい。

伸長し続けているロカボ市場。さらなる拡大のための訴求やねらい目のカテゴリーは?
(画像=出所: ㈱KSP-SP「KSP-POS」より食未来研究室作成 ※2021年の売上上位5カテゴリーを抽出,『DCSオンライン』より 引用)

ロカボ甘味料は製菓材料、売場にも需要あり

伸長し続けているロカボ市場。さらなる拡大のための訴求やねらい目のカテゴリーは?
(画像=出所:クックパッド㈱「たべみる」より食未来研究室作成 ※2021年マッチ度:「ロカボ×●●」というようにロカボと一緒に他の言葉を組み合わせて検索された回数が、ロカボ全体の検索に対してどの程度検索されているのか,『DCSオンライン』より 引用)

まずは甘味料について見ていこう。ロカボ甘味料の容量別の売上推移を見ると、近年ではとくに大容量サイズの商品の伸びが大きくなっている。先に述べたような健康意識の高まりなどから、ロカボ甘味料を常用する生活者が増えたのではないだろうか。また、この大容量のロカボ甘味料は砂糖全体やロカボ甘味料全体と比べて製菓材料と同時購入されやすいという特徴もある。お菓子づくりでは砂糖を大量に使うこともあるため、大容量がとくに購入されやすいのではないだろうか。クックパッドで「ロカボ」や「低糖質」と一緒に検索されたメニューのランキングを見てみると、スイーツ関連のワードが上位を占めており、手づくりのロカボスイーツ需要が高いことがうかがえる【表】。これらのことから、製菓材料売場にもロカボ甘味料を品揃えすることで、さらに売上を向上させることができるのではないかと考える。

シリアルのロカボ商品は健康朝食訴求を

 次にシリアルについて見ていく。【図3】はシリアル全体とシリアルの中でロカボ商品、オートミールを抽出して売上の変化を見たものである。シリアル全体も年々伸びてはいるが、その中でもダイエットや健康イメージの強いロカボ商品やオートミールの伸びが大きいことがわかる。シリアルは朝食において定番のメニューとなっているが、クックパッドで「健康」と最も一緒に検索されやすいワードは「朝食」となっている。健康な朝食をとりたいという意識が高いこともあり、より健康的なロカボ商品などを利用する生活者が増えているのではないだろうか。

伸長し続けているロカボ市場。さらなる拡大のための訴求やねらい目のカテゴリーは?
(画像=出所: ㈱KSP-SP「KSP-POS」より食未来研究室作成 ※2010年を1とした時の変化,『DCSオンライン』より 引用)

 また、シリアルのロカボ商品購入者の買物特徴を調べてみると、ロカボパンや全粒粉入りなど栄養価の高いパン、シリアルバーなども購入されやすくなっている。健康的な朝食を考える生活者に対して、これらの商品を集めた売場づくりもよいのではないだろうか。