目次
平均年収が最も高くなる年齢は?
高年収の割合が大きい業種
平均年収が最も高くなる年齢は?
終身雇用が一般的な日本では、長らく「年功序列」の人事制度が採用されてきました。成果主義を取り入れる会社も増えているものの、年齢・勤続年数と平均給与の関係は切っても切り離せないようです。
年齢階層別の平均給与
前述の同調査では、1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与を年齢階層別にも算出しています。
男性は20歳から60歳までは右肩上がりで平均給与が上がり、55歳~59歳でピークを迎えます。20歳~24歳の平均給与は277万円であるのに対し、55歳~59歳は668万円です。
他方、女性は25歳~29歳の年齢層で平均給与がアップするものの、その後は大きな変化は見られません。20歳~24歳の平均給与は242万円、25歳~29歳は319万円、55歳~59歳は311万円です。男性に比べ、女性の昇進・昇給が少ない実態がうかがえます。
勤続年数別の平均給与
同調査によれば、日本の会社は勤続年数と平均給与が比例する傾向があります。厳密に言えば、勤続年数30~34年までは右肩上がりで、35年以上は減少の一途をたどります。
勤続年数 | 平均給与 |
---|---|
1~4年 | 315万円 |
5~9年 | 371万円 |
10~14年 | 446万円 |
15~19年 | 508万円 |
20~24年 | 575万円 |
25~29年 | 646万円 |
30~34年 | 662万円 |
35年以上 | 573万円 |
日本の会社の多くは、年齢や勤続年数によって平均給与が上がる「年功序列」を採用しています。近年は、成果主義を採用する会社が増加傾向にありますが、全体から見ればそれほど多くはないようです。
年功序列は、優秀な若手社員の実力が正当に評価されにくいのがデメリットです。会社は古参社員の年収をカットできないため、若手の年収を安易に上げられないと推察されます。
収入を増やしたい人は成果主義の会社に転職をするか、投資や副業を検討する必要があるでしょう。
高年収の割合が大きい業種
平均給与は業種によっても大きく異なります。「他業種にキャリアチェンジをしたら、給料が大きく上がった」という人は少なくありません。高年収の割合が大きい業種は「景気の影響を受けにくい」「人々の生活に欠かせない」などの共通点があります。
電気・ガス・熱供給・水道業
同調査の「業種別の給与階級別分布」によると、平均給与が最も高いのが「電気・ガス・熱供給・水道業」です。800万円超を占める人の割合は33.7%と最も多く、次いで「600万円超700万円以下」が19.1%となっています。
産業大分類別における1企業あたりの売上高は、電気・ガス・熱供給・水道業が最も高く、2位の金融業・保険業とは28億円以上の差があります。
- 電気・ガス・熱供給・水道業:69億769万円
- 金融・保険業:41億220万円
- 複合サービス事業:16億3,380万円
国民の生活に欠かせないうえ、景気の影響を受けにくいことが安定した経営状態を維持する理由と考えられます。
参考:令和3年経済センサス‐活動調査 速報集計|総務省・経済産業省
金融・保険業
金融・保険業界は、給与が高い業界の代表格です。同調査の「業種別の給与階級別分布」によると、金融・保険業では平均給与が800万円超の給与所得者が25.0%を占めています。
1企業あたりの売上高は、電気・ガス・熱供給・水道業に続く第2位で、41億220万円にも上ります。
金融・保険業で働くには、金融に対する高い専門知識が必要です。プロフェッショナルとして活躍するにはそれ相応の努力が求められるため、給与も高めに設定されていると推察されます。
参考:令和3年経済センサス‐活動調査 速報集計|総務省・経済産業省
情報通信業
情報通信業には以下のような業種が含まれます。
- 電気通信業
- 放送業
- 放送番組制作業
- インターネット関連サービス業
- 情報サービス業
- 映像・音声・文字情報制作業
同調査の「業種別の給与階級別分布」で見ると、情報通信業では500万円超が全体の半数を超え、うち800万円超が20.8%を占めています。
放送システムを構築するプロジェクトマネジャーや、大手通信企業のテクニカルディレクターといった特定のポジションになると、年収が1,000万円を超えるケースも珍しくありません。