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過去の名車を再販する事はできるのか?
立ちはだかる現代のレギュレーション
過去の名車を再販する事はできるのか?
20年ほど前でしょうか、筆者はいすゞのクルマに乗っていたのですが、ディーラーのメカニックから「117クーペの再発の話があったのだけど、消えてしまった」ということを聞きました。
それが、1970年代の117クーペをそのまま再発しようとする動きだったのか、それとも117の後継(ピアッツァではないモデル)を示唆していたのか、今となっては判断しにくいところです。
しかしそれだけ再販を望む声が、多く届いていたのは間違いないのでしょう。
2輪の世界では、旧車を再販した事例があります。ご存じの方も多い、スズキ カタナです。
ヨーロッパ向けのGSX1100Sが1981年、国内向けのGSX750Sが1982年のそれぞれ販売開始されたモデルで、国内向けは1984年にデビューした3型よりスタイリングが変更、80年代後半に絶版となりました。
その一方で、初期のスタイルを守り続けたGSX1100Sは、ヨーロッパで継続販売されており、逆輸入車が高値で取り引きされていました。
そんな市場のニーズに応える形で、スズキは1990年に国内向けとして逆輸入車を投入、さらに二輪車の排気量上限制限が撤廃された1994年からは、同型のモデルが国内仕様として販売されるに至りました。
足回りやブレーキ等、リファインを受けたものの、750ccモデルとはいえ一度変更されたスタリングを戻して、ほとんど初期のスタイルで再販された稀有なモデルです。また中型クラスの250cc(1991年)と400cc(1992年)も、初期を踏襲したスタイルで新型が投入されています。
立ちはだかる現代のレギュレーション
カタナのようなリバイバルモデルが乗用車で出るケースは極めて稀といえます。
なぜならば、年々厳しくなる「衝突安全性」「排気ガス規制」といった要件に対して、旧車をそのままリバイバルしても、まずクリアすることができないからです。
また、かつてと同じ素材、作りをしてしまうと、金属パーツが多くコストが上がるなどのネガも考えられます。
なにより、工場の設備が違うため、旧型車1台を作るためにとんでもないお金が掛かってしまうことになり、販売する価格も想像を絶するものになってしまうでしょう。