マリアナの文化やサスティナブルツーリズムに触れる!+サイパン入出国手続きまとめ
(画像=『オーシャナ』より引用)

2022年9月1日(木)からユナイテッド航空の成田〜サイパン直行便が就航することになり、盛り上がりをみせ始めている北マリアナ諸島のサイパン。わずか3時間半のフライト、時差1時間の日本から一番近い英語圏の海外リゾートとして注目せずにはいられない。そこで就航開始より一足先にサイパンへ飛んだオーシャナ編集部では、魅力的なダイビングポイントやワーケーション最新事情、おすすめのレストラン&カフェ情報を紹介してきた。最終回は、マリアナ独自の文化や自然環境に触れる「サスティナブルな体験」と「入出国手続き」についてご紹介!

目次
マリアナの文化や自然を見つめるサスティナブルな体験
 ・ダイビングで参加する「サンゴの養殖」
 ・チャモロスタイルの海洋航海船でセーリング体験!「500sails」
 ・島内の自然環境保護と文化の維持をサポートする「MINA」

マリアナの文化や自然を見つめるサスティナブルな体験

せっかくサイパンに行くのなら、マリアナ独自の文化や自然環境にも目を向けたいもの。島内では、貴重な文化や自然を守り、持続させていくための活動が各団体で行なわれているので、ファンダイビングや仕事の合間に参加してみたい。

ダイビングで参加する「サンゴの養殖」

「JAMS(JOHNSTON APPLIED MARINE SCIENCES)」は、マリアナでサンゴの保全育成を行なっている海洋環境研究機関。ダイバーに癒しと感動を与え、生き物のすみかとなって、海を支えてくれているサンゴはマリアナの海にとって欠かせない存在だ。取材に訪れた日は、ちょうどサンゴ養殖場のお掃除をするというので、日頃の感謝を込めて特別に体験参加してきた。

養殖場まではボートで移動。

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(画像=『オーシャナ』より引用)

エントリーすると、クリスマスツリーのような形をしたサンゴの苗床が現れた。

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(画像=『オーシャナ』より引用)

ツリーの枝部分にぶら下がっているのがサンゴ苗。ぶら下げることで360度新鮮な海水が当たって、サンゴの発育を促してくれるそうだ。

マリアナの文化やサスティナブルツーリズムに触れる!+サイパン入出国手続きまとめ
(画像=『オーシャナ』より引用)

クリーニング用のブラシを貸してくれるので、枝部分に付いた汚れをきれいに落とす。

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(画像=『オーシャナ』より引用)

サンゴに触れたり、あまつさえ壊したりしないように細心の注意を払いながらクリーニング。

マリアナの文化やサスティナブルツーリズムに触れる!+サイパン入出国手続きまとめ
(画像=『オーシャナ』より引用)

ツリーのそばには控えのサンゴたち。

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(画像=『オーシャナ』より引用)
マリアナの文化やサスティナブルツーリズムに触れる!+サイパン入出国手続きまとめ
(画像=『オーシャナ』より引用)

すくすく育っていってほしい。

マリアナの文化やサスティナブルツーリズムに触れる!+サイパン入出国手続きまとめ
(画像=『オーシャナ』より引用)

同研究機関でドクターを務めるライザさんが今後の活動について話してくれた。

「今後は、ダイバーだけでなくノンダイバーも参加できるようなプログラムを開発していく予定です。サンゴ礁の保全と回復活動について学べる内容を考えています。海と沿岸地域の両方が繁栄できるように、サンゴ礁やその他の海洋生態系の保全、回復、持続可能な管理を続けていきたいと思います」。

今後の活動が楽しみだ。次回サイパンに訪れた際にもぜひまた参加したいと思った。

ちなみに、今回のダイビングの取材で終始お世話になった地元のダイビング協会(北マリアナ諸島ダイビング事業者協会/NMDOA)でも、サンゴ礁の保全と回復活動に取り組んでいる。パンデミックが始まった2020年、島内のダイビングショップが有志で立ち上げた「サンゴの産卵観察プロジェクト」にも積極的に参加。

また、同養殖場でも、稚サンゴを育生しているツリー清掃を行っている。ほか、ビーチクリーンアップや水中清掃、ボート係留ブイ、ビーチのエキジットロープの設置とメンテナンス、街の清掃まで幅広く活動し、マリアナの自然環境と遊びに来る観光客の安全を守ってくれている。

チャモロスタイルの海洋航海船でセーリング体験!「500sails」

サイパンに古くから伝わる海洋航海船と伝統航海術の復興を目的に活動する「500sails」。ここでは、チャモロ人が航海船として使っていた「チャモロスタイル」と呼ばれるアウトリガーカヌーの操舵を学ぶワークショップをローカル向けに毎週日曜日開催している。取材では参加できなかったが、航海船を復元する倉庫におじゃまできたので、チラッとご紹介!

倉庫エントランスから中に入る。

マリアナの文化やサスティナブルツーリズムに触れる!+サイパン入出国手続きまとめ
(画像=『オーシャナ』より引用)

こちらが「チャモロスタイル」の模型。実物は16フィート(約4.8m)ある。2人乗りヨットの470とほぼ同じ大きさ。

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(画像=『オーシャナ』より引用)

こちらは18フィートの実物大。マストはたたまれているが、ワークショップでは帆を立てる。

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(画像=『オーシャナ』より引用)

こちらは、スペイン統治下にあった1700年代に作られたであろう船の設計図。

マリアナの文化やサスティナブルツーリズムに触れる!+サイパン入出国手続きまとめ
(画像=『オーシャナ』より引用)

設計図を元に途中まで制作されていたものをオークションで買い取り、現在はこの倉庫で復元中。乗船体験用に出艇される予定はないが、海洋航海船の歴史や構造を紐解くための研究材料として丁寧に取り扱われている。

マリアナの文化やサスティナブルツーリズムに触れる!+サイパン入出国手続きまとめ
(画像=『オーシャナ』より引用)

そしてこちらは大航海時代に造られたとされる大型船。耐水性が非常に高いレッドウッドと呼ばれる木で造られたもの。この木は現在保護対象なので、かなり貴重な船だそう。

マリアナの文化やサスティナブルツーリズムに触れる!+サイパン入出国手続きまとめ
(画像=『オーシャナ』より引用)

ローカルだけでなく観光客にもマリアナの海洋文化を知ってほしいと思っている500sails。事前に問い合わせをすれば、倉庫見学を受け入れてくれるそうだ。旅を通じて、その土地の文化や歴史に触れることは人生の大きな学びになると思う。まだ知らない、マリアナの素顔にぜひ触れてほしい。

島内の自然環境保護と文化の維持をサポートする「MINA」

マリアナの文化やサスティナブルツーリズムに触れる!+サイパン入出国手続きまとめ
(画像=『オーシャナ』より引用)

ツアーや各種プログラムに参加する時間はないけれど、気軽に環境保全に貢献したいときは、ビーチ沿いに設置されているダストボックス(ゴミ箱)に注目してみてほしい。

ダストボックスは、マリアナの自然環境と文化を維持する団体「MINA(Micronesia Islands Nature Alliance)」が管理しており、回収されたゴミは資源として活用される。またダストボックスの設置やゴミの回収作業を、求職中の島民に仕事として割り振るシステムも取り入れている。ゴミ収集という一つの活動を通じて、環境保全だけでなく地域活性や失業者支援にも繋げているのだ。

こちらは、MINAが港や海岸に設置している釣り糸回収器。日本でも放置された釣り糸は問題となっているように、目に見えづらい海の世界で人間の残置物が海洋生物を傷つけている。釣り糸を見かけたらぜひ回収してほしい。サイパンだけでなく、テニアンとロタにも設置されている。

マリアナの文化やサスティナブルツーリズムに触れる!+サイパン入出国手続きまとめ
(画像=『オーシャナ』より引用)

またMINAでは、過去に発生した台風によって生じた海洋ごみの除去、処分も積極的に行っている。これらの活動は、観光客向けプログラムとして開放されていないため、活動に直接参加することは今現在できないが、公式ウェブサイトにアクセスして任意の寄付をするのも一つの手だ。