奥深い山に囲まれ、絶景も楽しめる世界遺産「熊野古道」。三重県、奈良県、和歌山県、大阪府にまたがる広大な自然と、長い間信仰に支えられてきた神々の地へ!熊野本宮大社と参詣道の登山コースを中心におすすめの見所を徹底的にご紹介します。ゆっくりのんびりと参詣道を歩き、自分を見つめる時間をつくってみませんか?

目次
1. 熊野古道とは?
2. 熊野本宮周辺の登山コースは6つ

1. 熊野古道とは?

熊野古道の初心者におすすめ! 登山コース「熊野本宮大社~参詣道」を完全ガイド
(画像=『たびこふれ』より引用)

そもそも熊野古道とはどんなところなのでしょうか?

熊野古道とは?

熊野古道は、古代から信仰の対象とされてきた熊野三山(本宮・新宮・那智)と、そこへ通じる参詣道の総称のことを指します。熊野本宮に神がまつられたのは、今から約2,000年前の崇神天皇の時代でした。熊野詣が特に盛んだったのは、平安時代から鎌倉時代にかけてと言われています。

白河院が9回の熊野御幸(くまのごこう)を行って以来、朝廷の貴族や庶民も、こぞって熊野御幸をするようになりました。背景は藤原摂関政治の衰えと、武士の台頭による動乱の世の中で、人々の不安が浄土信仰を駆り立てたからと言われています。人々は祈り、険しく厳しい旅を乗り越え、苦行の果てに悟りと不思議な力を得て、その先にある極楽浄土を想いました。人々の絶望と再生の物語が、この「熊野古道」には脈々と受け継がれているのです。

2004年7月、ユネスコの世界文化遺産に「紀伊山地の霊場と参詣道」として指定され、現在では広く世界に知られることとなりました。交通機関を利用すれば熊野本宮にたどり着くのは容易になりましたが、あえて古道を歩くことは、昔の信仰の記憶をたどり自分を見つめる良い機会となるでしょう。

熊野三山とは?

熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社という3つの神社の総称を指します。日本全国に約3,000社ある熊野神社の総本社という位置付けです。

熊野本宮には家都御子神(けつみこのかみ)、熊野速玉大社には熊野速玉男神(くまのはやたまおのかみ)、熊野那智大社には熊野牟須美神(くまのむすみのかみ)が祀られています。これは神仏習合の考え方から、仏教の名前にも対応していてそれぞれ、家都御子神は阿弥陀如来、熊野速玉男神は薬師如来、熊野牟須美神は千手観音とも呼ばれています。

参考:熊野本宮観光協会

2. 熊野本宮周辺の登山コースは6つ

熊野本宮大社周辺には、登山コースが6つあります。発心門王子~熊野本宮大社、小広王子~発心門王子、赤木越え、大日越え、小雲取越、小辺路 果無越の6つです。

この中で、最も簡単で人気があると言われているのが、発心門王子~熊野本宮大社のコースです。歩行時間が2時間30分で距離が6.9kmなので、初心者向けです。

一方で、最も難しいと言われているのが、小辺路 果無越のコースです。歩行時間が6時間15分で距離が14.6kmなので、上級者向けです。

参考:熊野本宮観光協会