昨今は認知度が高まり、渡す人も次第に増えてきている「お盆玉」。子どもたちも当然「もらえるもの」と思っているため、渡し忘れてしまうとかなり失望される恐れがあるようだ。そもそもお盆玉とは何か、由来や相場などもあわせて解説したい。

お盆玉って何?

正月の時期になると祖父母や親戚から子どもたちに手渡されるお年玉は、一般的に広く知られている。正月と同じように、帰省して家族や親戚と顔を合わせる機会の多い、お盆の時期に渡されるお小遣いのことを「お盆玉」という。

お正月の風物詩であるお年玉にちなんだこの造語、実は山梨県の紙製品メーカーであるマルアイが名付けたものだ。2010年ごろから、夏のモチーフをデザインしたポチ袋を、お盆玉袋として販売している。

起源は東北地方にあり

お盆玉という言葉自体は比較的新しいものの、その風習は江戸時代から存在している。起源は東北、山形県の一部地域にある。お盆の時期に親元へと帰る奉公人に対し、商家の主人が衣類や履物を渡していたのが始まりだ。

時代とともに風習は変化し、昭和初期にはモノからお金へ、子どもらへのお小遣いとして浸透していくようになった。

相場は6,000円、年々上昇も

認知度は上昇傾向にある。あおぞら銀行が55~74歳の約2,000人を対象にした2019年の調査によると、「お盆玉を知っている」との回答は41.5%に上った。2016年の調査開始時点では16.6%にとどまっていたが、年々上昇している。

お盆玉の平均額(ゼロ円を除く)は6,100円だった。こちらも調査開始時の5,700円から徐々に増えている。金額の分布を見ると、「5千円~1万円未満」が38.4%と最も多かった。関西よりも関東のほうがやや金額は、高い傾向にあるという。

定着には賛否両論あるが・・・

お盆玉専用のポチ袋は2014年、日本郵便が新たに郵便局での取り扱いを開始したことで全国的に知られていく。今や文具店や百貨店に限らず、身近なスーパーマーケットやコンビニエンスストアでも気軽に購入できるようになった。

新しく普及し出した風習だけに、お盆玉の定着には抵抗を示す人も中にはいるかもしれない。あげるかあげないか、金額はどのくらいに設定すべきか、現金ではなくモノを渡すべきか。大人たちには頭の痛い行事にもなりかねないが、お盆の帰省前には家族や親戚でしっかり話し合って決めていくことをおすすめしたい。

文・MONEY TIMES編集部

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