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夜の伊勢をふわふわと彷徨い歩いてみた
「伊勢神宮の奥の院」行かねば片参宮?

夜の伊勢をふわふわと彷徨い歩いてみた

夕方から、お宿の周辺を散策してみることにしました。晩ご飯を食べるのにいいお店がたくさんありますよと、昭和感満載の古い商店街を教えてもらったので行ってみましたが、ご飯時間と重なり、小さな店はどこも満席。昔の伊勢の、街の記憶が残っているような小さな商店街でした。

【三重】土の時代から風の時代へ...「伊勢神宮」正式参拝&伊勢のまちを夜散歩
(画像=『たびこふれ』より引用)

今度は外宮の方へ向かう広い通りを歩いてみます。ここは前回の伊勢神宮の遷宮(20年に一度の建て替え)の際に、綺麗にリニューアルした外宮参道という通りだそうで、伊勢市駅から外宮に続く一直線の道にお洒落なショップや飲食店がずらりと並んでいました。

次第に夜も更けてきた伊勢。道沿いには提灯が柔らかな灯りを灯していて情緒があり、風が吹く度に風鈴がチリンと優しい音を立てています。その音は外宮までの道中ずっと連なっていて、なんだか異世界へと導びかれているような不思議な心地に。

【三重】土の時代から風の時代へ...「伊勢神宮」正式参拝&伊勢のまちを夜散歩
(画像=『たびこふれ』より引用)

ふわふわと道を漂っていると、夜の外宮前にたどり着きました。薄暗く森が見えていますが怖いような感覚は全くなく、むしろ包まれるような優しささえ感じ取れます。

夜にひとり、この場所にいることの不思議さ。神々の夜の吐息に触れるような時間...昼間では知り得ない世界を少し覗き見てしまったような心境です。立ち尽くしたまま動けなくなりそうだったので、大きく一呼吸してから「明日来ますね」と言って、くるりと元来た道をゆっくり戻り始めました。

【三重】土の時代から風の時代へ...「伊勢神宮」正式参拝&伊勢のまちを夜散歩
(画像=『たびこふれ』より引用)

帰る途中で見かけた飲食店。少し気になったので中に入ったものの、広い店内は超満員。後で知ったのですが、このお店は「豚捨(ぶたすて)」という名前で、伊勢肉が食べられる老舗和牛専門店なのだとか。

席が空かずで諦めてコロッケとミンチカツをテイクアウトし、熱々をかじりながら外宮参道を歩きます。コロッケはサクッと食感も良く人気商品だそうで、ミンチカツは肉汁が凄かったです。

豚捨 外宮前店

  • 住所:三重県伊勢市岩渕1丁目1-33
  • TEL:0596-25-1129
  • 営業時間:食事 11:00〜15:00(14:30L.O.)、17:00〜21:00(20:00 L.O.)/物販 11:00〜20:00 ※季節によって営業時間の変更あり
  • 定休日:木曜日

「伊勢神宮の奥の院」行かねば片参宮?

【三重】土の時代から風の時代へ...「伊勢神宮」正式参拝&伊勢のまちを夜散歩
(画像=『たびこふれ』より引用)

夜の散歩が気持ちよくてずっと歩いていると、まだ空いているショップがありました。吸い込まれるように中に入るとそこはアウトドアグッズの専門店「BUD PALMS」。入り口付近にあった可愛い手拭いのデザインに見惚れていたら、店員さんが声をかけてくれました。

店頭にまとめられた商品はこの店オリジナルなのだそう。ひとつずつに丁寧な説明書きがあります。伊勢の特徴をしっかりと捉えて発信していることに、地元愛を感じて嬉しくなりました。

【三重】土の時代から風の時代へ...「伊勢神宮」正式参拝&伊勢のまちを夜散歩
(画像=『たびこふれ』より引用)

「お伊勢のかへりに朝熊をかけよ、朝熊かけねば片参宮」という言葉があり、朝熊ヶ岳には「伊勢神宮の奥の院」と呼ばれる朝熊岳金剛證寺があって、昔から伊勢神宮と共に盛んに参拝されてきたのだとか。

そんな伊勢内宮の裏山でもある朝熊山へ山登りをする人も多いということ。なるほど、だからこのお店にはトレッキング用品がいっぱいあるのですね。実はここは海にも近いので、サーフィン関係のものもあります。伊勢で海山を楽しめるなんて意外でした。

BUD PALMS

  • 住所:三重県伊勢市本町6-4 シャレオサエキ1F
  • TEL:0596-23-0028
  • 営業時間:10:00~20:00
【三重】土の時代から風の時代へ...「伊勢神宮」正式参拝&伊勢のまちを夜散歩
(画像=『たびこふれ』より引用)

宿に帰り、さっきパンを買っていたことを思い出した私。パン屋さんが宿に運んできていた美味しそうな手作りパンにかぶりつきます。

いつも食べ物があり、眠る場所があること...それは当たり前のことではなく、ありがたいことなのだと気づきました。恵を与えてくださる豊受大御神に感謝しつつ、明日のお祭りを心待ちにしてこの日は眠りにつきました。

伊勢神宮の正式参拝とお神楽をはじめ、外宮や別宮を駆け巡り、夜の伊勢をじっくりと感じ取った1日。皆さんにも、伊勢神宮への参拝は日帰りではなくゆっくりされることをぜひおすすめします。

次回は翌日に執り行われた風日祈祭をご紹介します。

文・写真・Hinata Yoshioka/提供元・たびこふれ

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