憲法改正などできない理由

もっとも選挙結果と連動するNHKの世論調査では戦争の放棄を定めた憲法9条を改正する必要があると思うかどうか聞いたところ、「改正する必要があると思う」が31%、「改正する必要はないと思う」が30%。

自民党はどうして憲法改正に執着し、野党は絶対に阻止すると延々と戦うのか
(画像=『アゴラ 言論プラットフォーム』より引用)

実際に国民投票となると、投票率が高く人口が多いのは高齢者ですから、改正反対が圧倒するでしょう。高齢者は何より変化を嫌います。いまのままでなんとかいいならそれで逃げ切りたいのです。あれほど支持率の高い維新でも大阪都構想が二度にわたって却下されました。

維新の支持率は大阪では41%ですから、全国の自民の支持率35%をはるかに上回ります。事前の世論調査では支持がうわまわっていたはずですが、ギリギリで却下。地域的には貧困率と高齢者率が高い地域が反対に回ったとされとています。

自民党はどうして憲法改正に執着し、野党は絶対に阻止すると延々と戦うのか
(画像=『アゴラ 言論プラットフォーム』より引用)

完全に高齢者に押し切られた形

憲法改正のは年代別の調査が2018年しかないのですが明らかに高齢者は現状維持を希望します。

自民党はどうして憲法改正に執着し、野党は絶対に阻止すると延々と戦うのか
(画像=『アゴラ 言論プラットフォーム』より引用)

よって、憲法改正が国民投票で通らないことは自民党もわかっているし、野党もわかっています。自民党は国民投票にもかけません。仮に却下されたらもともと憲法改正を旗印に立ち上がった政党ですから存在意義がなくなります。そんなリスクは犯さないでしょう。

どうして野党の与党もこんな茶番を続けるのか

わたしは憲法改正はした方が良いと思います。しかし改正しなくてもしても中国は侵略してくるときはしてくるし、あまり関係ないとは思います。それより日本にはもっと差し迫った危機があります。

憲法改正するぞ~ 絶対反対だ~と与野党で騒いでいるのは、「何かやった振りをしているのに最高の題材」だからです。与党は海外からの危機感を煽るし、野党は逆にそんなことをされたら戦争だと逆の危機感を煽ります。

結果として相当共に支持率を大きく損なうがやらなくてはならない「年金の切り下げ」「健康保険や医療費の見直し」(19人を1人で支える時につくった仕組みが1.2人を1人で支える時代に対応するわけがなく、近い将来に年金システムも健康保険も破綻しますがそれをはっきりさせて対策を立てようものなら高齢者層の支持を一気に失います。少子化もニッチもサッチもならないところまで来ています。あと80年後は人口が3000万人台です。

本当に優先順位が高いものを検討するとやぶ蛇になるので、絶対不可能なことを双方ともやりあって時間を潰している茶番として憲法改正問題があると思います。世界でたった3国だけやってる頭のおかしいコロナ規制や経済潰しても鎖国している中にまさか日本がはいるとは思ってもみませんでした。このままでは本当に日本は終わります。


編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2022年8月22日の記事より転載させていただきました。

文・永江 一石/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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