ジープと言えば、四輪駆動車の代名詞にもなっているブランドですが、そのイメージから意外と敬遠する人が多いのが実情。でも今回、新型のジープ ラングラーアンリミテッドに全地形で試乗してみて、もはや選ばない理由が見つからないという結論に辿り着きました。

目次
多くの日本人に誤解されているジープ
特異な見た目とは違い、乗れば意外と“普通”

多くの日本人に誤解されているジープ

もはやジープ ラングラーを選ばない理由がない!? イメージとあまりに違う真の姿
(画像=『CarMe』より引用)

かつては三菱自動車もジープをライセンス生産しており、日本全国の僻地や作業現場で活躍していました。そのため、私たち日本人のジープに対するイメージは、「特殊な作業車」になっている部分があることは否めません。それが本家のジープであればなおのこと。幌車でうるさい、乗り心地が悪い、多人数乗れない、アメリカ車だ、燃費が悪いなどなどネガティブなイメージが日本のユーザーにあることは確かです。

一方で、究極の道具としての美しさを持つジープに、好意的な目を向ける人も少なくありません。その証しに、僕が愛車のジープ ラングラーアンリミテッドJKで街に出ると、老若男女、特に年齢が上の方から「これがジープ?いいですね!」と声をかけられることがしばしばです。

ジープ ラングラーアンリミテッドは、昔のイメージによって作られた固定観念により、敷居が高くなった車種のひとつなのではないでしょうか。今回は最新のJL型のお話から、皆さんの誤解をひとつずつ解いていきたいと思います。

特異な見た目とは違い、乗れば意外と“普通”

もはやジープ ラングラーを選ばない理由がない!? イメージとあまりに違う真の姿
(画像=『CarMe』より引用)

まず旧型のJKに初めて乗った時に感じたのは、「思っていたよりもずっと普通」ということです。仕事柄、SUVに乗る機会が多いのですが、乱暴に言えばCX-5などの乗用車系SUVとそれほどフィーリングに大きな差はありませんでした。最小回転半径が大きく、都市部ではちょっと切り返しが多いというくらいです。それは大げさだしとしても、大部分が刷新された新型のJLと他のSUVとの差は、昔のジープほどではありません。

たしかにジープ独特と言える運転席の視界の狭さはあります。ですが、ひとたび走り出せば、イマドキのSUVに過ぎません。自動車ファンに中には、ジープはリジッドアクスル式サスペンションなので乗り心地が悪いという人もいますが、JLはボディ各部にアルミを多用し、JKよりも大幅に軽量化されています。その努力が功を奏しており、脚がよく動き、実に軽やかに走ります。

エンジンは従来の3.6L V6ユニットに加えて、ダウンサイジングターボの2L 直4ターボが追加されていますが、これも2Lというイメージとは真逆のパワフルかつトルクフルで気持ちのいいエンジンに仕上がっています。同業者でさえも「あれほどの巨体なのだから、オフロード走行も考えれば3.6Lは欲しいでしょう」と言いますが、2Lは想像以上の加速性能と扱いやすさを見せてくれました。ターボらしくないスムーズなフィーリングも、また魅力のひとつです。

3.6LもATが8速に変更されたことで、非常に気持ち良く走るようになりました。JKと比べると格段にドライブフィールが向上しています。何より、高速での加速がスムーズです。JKにはあった、もったりとした部分は微塵もありません。さらに両エンジンともレギュラー仕様なのも、意外と知られていないジープ ラングラーアンリミテッドの美点ではないでしょうか。

もはやジープ ラングラーを選ばない理由がない!? イメージとあまりに違う真の姿
(画像=『CarMe』より引用)

フルタイム4WDモードが付いたのも、JLのトピックです。これまではタイトコーナーブレーキング現象のよる転倒の恐れがあるため、乾燥路では4WDにすることができませんでした。しかしセンターデフを有したことで、山道などで少々安定感に欠けるなと思えば、積極的に4WDを選択することができるようになりました。

さらに安全装備も新型では充実しているのですが、ユーザーに直接的に恩恵があるのが、「アダプティブクルーズコントロール」です。設定した速度や車間を、周囲の交通状況をCPUが判断しながら維持してくれる、昨今ではお馴染みの装備。いちいち手動で車間や速度調整をしなくてもいいので、ストレスが大幅に軽減されます。

新型の特徴や魅力は過去の当サイトでの記事をご覧いただくとして、JLは細部にわたってまで実によく旧型の弱点が解消されており、四駆なんて乗ったことがない…という人がいきなり乗っても、普通にドライブできる車に仕上がっているのです。