— Ms. I、若い仲間を育てる
2019年の統一地方選挙まで、Ms. Iの選挙区Y県の県議会に彼女が所属する自民党の女性議員はいなかった。自民党の女性県会議員が誕生すれば、お膝元に女性の仲間ができて何かと心強いばかりか、県議会の女性比率の上昇にも貢献できる。自民もしくは保守系の議員として、県政を任せられる女性はいないか、折に触れて探すうちに、有望な3人の候補者を見つけ出すことができた。うち一人は、Ms. Iの秘書だった女性で、2011年にMs. I自らの勧めによりY県内のある市議会議員に転身し、2期目を勤めていた。さらに、別のもう一人はY県内の別の市会議員出身者であった。
2019年の県議会選挙に、3人は保守系無所属で立候補した。Ms. Iは、国会議員としての多忙な活動のなか、早朝から彼女たちと一緒に駅立ちするなど、献身的に応援した。その甲斐あって、3人は揃って当選し、しかも自民党に入ったため、Y県議会の女性自民党議員がゼロから一挙に3人になったのである。当然のことながら、Y県議会の女性比率も引き上げられた。彼女たちの活躍がY県の女性たちの生活向上に資することも期待できる。
以上3人の女性議員の活動は、天下国家を論じたい人からみれば、些細な事柄に映るかもしれない。しかし、政治とは実はこうした日常の些細な営みの積み重ねであり、集合体ではないだろうか。有権者が日々の暮らしの中で遭遇する困難に寄り添い、解決のために汗をかくことのできない政治家が、天下国家の問題なら解決できるとでも言うのであろうか。そうではないだろう。
文・衛藤 幹子/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
【関連記事】
・「お金くばりおじさん」を批判する「何もしないおじさん」
・大人の発達障害検査をしに行った時の話
・反原発国はオーストリアに続け?
・SNSが「凶器」となった歴史:『炎上するバカさせるバカ』
・強迫的に縁起をかついではいませんか?