1kg4000円の高級魚に

カサゴは旬を迎える冬から春には、過去最高で1kg4000円程度の卸売価格になったこともあるらしい。1kgというと、30cm級が3匹くらいだろうか。釣り人なら、25cm級5匹くらいは普通に釣れることがよくあるので、ちょっと「エッ?!」と思うようなお値段である。

ちなみにこの記事を書いている現在、チェックしてみると、2021年4月の豊洲市場でのカサゴの卸売価格は1kg955円。まあ、それでもなかなかのお値段ではないか。

釣魚は基本的に売れません

カサゴが1kg955円!?旬はもっと高くなるなら、冬はガチガチにカサゴゲームして朝市場に売りに行こう!なんて安直に思ってはいけない。釣魚は基本的に買い取ってもらえない。以前、私の知り合いが同じく高級魚といわれる大きなシーバスを釣って明石の朝市に持っていったところ、「100円ならいいけど」と言われたそうだ。

漁業組合などに入っていないと釣魚は買い取ってもらえない。逆に言うと、そのような組合に入っていると、釣魚は底引き網で引いたものより高く買い取ってもらえるようだ。底引き網で引いたものは、魚体同士が擦れ合いながら窒息死して上がってくる、いわば野締めの状態。

釣り人的大衆魚「カサゴ」が市場では高級魚のワケ 1kg4000円の時も?
(画像=野締めのアジは目が白濁する(提供:TSURINEWSライター井上海生)、『TSURINEWS』より 引用)

その点、釣魚はハリが口に掛かっただけで、活かしで持っていくこともできる。そのような魚だけを買い取るお店やお寿司屋さんがある。

淡路島の沖合で釣れるよく肥えたブランドアジは、漁師に釣られてから板前のところにいくまで、誰の手にも触られない。アジにとって、人間の手は火傷に近いので、身が悪くなるからだ。そのブランドアジ1匹のお値段やいかに…。漁師さんのみぞ知る。