年末ジャンボ、サマージャンボなど、高額な当せん金が特徴の宝くじ。当せんを夢見て毎回購入する人もいるのではないだろうか。今回は宝くじについて、当せん金にかかる税金や、当選確率、万が一数億円が当たったときに気を付けるべきポイントを解説する。

宝くじの当せん金は非課税。注意するパターンは?

当せん金額は原則非課税だが、注意すべきパターンがある。

宝くじの当せん金を受け取る段階では非課税であるが、当せん金の全部または一部を他の人に配ると「贈与」または「相続」とみなされ、贈与税や相続税がかかってしまうのだ。夫婦や仲間など、複数人で宝くじを購入した場合には、気を付けないと税金がかかってしまう場合がある。

例えば、代表者が一度当せん金を受け取ってから仲間に配ると、受け取った側が贈与税を支払うことになる。

贈与税の計算式は(贈与額-基礎控除額110万円)×税率-控除額である。

贈与する金額が高くなるほど、税率も高くなる仕組みだ。贈与額が3,000万円を超えると税率が55%となり、半分以上を税金として納めなければならない。

家族・親族に当せん金を相続する場合は、相続税がかかる。相続税の税率は贈与税よりは低いが、それでも金額が1億円以下で30%、6億円を超えると55%になる。

宝くじが当たっても子供には渡さない?

旭化成やトヨタホームを含む住宅メーカー9社による共同プロジェクト「イエノミカタプロジェクト」の2015年の調査では、「子どもへの相続を考える」親は13%、「実際に相続税対策をしている」親はたったの6%。これに対し、「親が相続を考えている」と思っている子どもは23%、「親が実際に相続税対策をしている」と答えた子どもは16%と、子どもの方が相続税への期待が高い。

さらに75.4%の親が「資産は生きているうちになるべく使い、残った分を子どもに遺産相続させる」、10.3%の親は「生きているうちに全て使い切りたい」と答えている。「なるべく使わずに子どもに残したい」親は13.2%だ。こちらも「親はなるべく使わずに残してくれる」と考えている子どもが22.8%と親の回答率より高く、親より子どもの方がはるかに楽観的である現状が浮き彫りになっている。

相続について話し合ったことのある親子は22.8%。じっくりと話し合った親子は4.3%しかおらず、56.6%が全く話し合っていない。子どもから切り出したケースは24.3%、親から切り出したケースは59.9%だ。