株主優待を目的とした「優待投資」は個人投資家に人気のあるジャンルのひとつだ。激しい値動きをする株で利ざやを取る肉食系の投資とは異なり、ゆったりとした値動きを享受しながら長く優待ライフを楽しむというのが特徴だ。

大和インベスター・リレーションによると2017年9月時点で、優待を実施している銘柄数は1368社存在し、優待の種類、内容、必要金額など千差万別だ。初心者向けの優待銘柄として参考にして頂きたい、必要投資金額5万円以下で買える企業を10社ご紹介したい。

5万円以下で購入可能な優待株

銘柄を参考にする上で、以下の条件にご留意いただきたい。

  1. 必要投資金額は2018年1月5日終値を元に算出
  2. 優待内容は最低単元株数によるもので保有株数に応じて増加する場合あり
  3. 優待内容は保有年数によって増加するものもあり
  4. 手数料は考慮せず

1.鉄人化計画 <2404> 

――カラオケ好きなひとならうれしい

【優待内容】100株でカラオケ店舗の会員カード、500円の飲食券5枚
【権利確定月】8月末
【優待利回り】6.9%
【必要投資金額】3万6000円(100株単位)

2.マルコ <9980> 

――美容関連用品が充実

【優待内容】100株で2000円相当のライザップグループ関連会社商品の優待カタログと20%割引券
【権利確定月】3月末・9月末
【優待利回り】10.2%
【必要投資金額】3万9100円(100株単位)

3.価値開発 <3010> 

――宿泊割引は上手に使いたい

【優待内容】100株でグループ運営ホテルなどの宿泊優待券を2枚
【権利確定月】3月末
【優待利回り】換算不可
【必要投資金額】2万3200円(100株単位)

4.小林洋行 <8742> 

――必要生活物資と交換できるのはうれしい

【優待内容】100株以上で2枚の全国共通お米券
【権利確定月】3月末
【優待利回り】換算不可
【必要投資金額】2万8900円(100株単位)

5.サノヤスホールディングス <7022> 

――優待で眺めを楽しんでみては

【優待内容】100株でパレットタウン観覧車の利用券を2枚
【権利確定月】3月末
【優待利回り】6%(1枚あたり利用料金920円で換算)
【必要投資金額】3万2100円(100株単位)

6.フィスコ <3807>

――まだまだ熱いIPO投資の参考に

【優待内容】100株でクラブフィスコのIPOナビ利用の無料クーポン(6480円相当)
【権利確定月】12月末・6月末
【優待利回り】36.5%
【必要投資金額】4万500円(100株単位)

7.日本ギア工業 <6356> 

――使い勝手で言えばやっぱり最強のクオカード

【優待内容】100株で1000円クオカード
【権利確定月】3月末・9月末
【優待利回り】4.2%
【必要投資金額】4万8300円(100株単位)

8.フォーシーズホールディングス <3726> 

――実は利回りの高い隠れ優待

【優待内容】100株でフェブリナおよびサイエンスボーテで利用可能な5000円相当の優待券
【権利確定月】9月末
【優待利回り】10.1%
【必要投資金額】4万9600円(100株単位)

9.ゼット <8135> 

――セール時なみの割引率はうれしい

【優待内容】100株でゼットオンラインショップで利用可能な20%割引券
【権利確定月】3月末・9月末
【優待利回り】換算不可
【必要投資金額】2万5800円(100株単位)

10.ビーアールホールディングス <1726> 

――書店などでも利用できるクオカードを配布

【優待内容】100株以上で500円相当のクオカード
【権利確定月】3月末・9月末
【優待利回り】2.1%
【必要投資金額】4万7100円(100株単位)

必要投資金額が低い銘柄へ投資する上のもう一つの旨味

必要投資金額が低い株ももちろん企業活動をおこなっている以上、事業展開に関する様々なニュースが伝わることがある。

具体的な例を言えば、2016年のPOKEMON GO関連として人気を得たサノヤスHD <7022>や2017年ライザップグループ傘下となったマルコ <9980> などが株価を4倍程度に増加させたことは記憶に新しいところだ。

特に2~3万円程度で購入できる株式ならば、仮に株式価値が0になっても大した痛手ではないので非常に低リスクで高いパフォーマンスを上げることのできる可能性は高いと言える。必要投資金額の低い株へ投資することはそんな点も一つの旨味であるといえそうだ。

優待投資は肩に力を入れずに楽しむところから

株主優待投資の本質は、企業へと長期で投資をしてそのお礼として優待品を楽しむことである。

株価が場合によっては大きく変化することもあるかもしれないが、出来る限り余裕をもって肩に力を入れずに投資を楽しむことをすすめたい。参考になっていただけると幸いだ。

谷山歩(たにやま あゆみ)
早稲田大学法学部を卒業後、証券会社にてディーリング業務に従事。Yahoo!ファイナンスにてコラムニストとしても活動。日経BP社の「日本の億万投資家名鑑」などでも掲載されるなど個人投資家としても活動中。個人ブログ「インカムライフ.com」。著書に「超優待投資・草食編」がある

文・ZUU online編集部

【関連記事 PR】
【初心者向け】ネット証券おすすめランキング
ネット証券比較――手数料、ツール、シェア数ランキング
ネット証券会社比較 手数料の安い4社
証券会社のネット口座開設数ランキング1位は?上位5社
ネット証券会社のシェアランキング1位はSBI証券