これまでの放射線治療は知らずに第4の唾液腺を傷つけていた

(画像=これまで唾液腺周辺の放射線治療はどんなに努力しても口の渇きを誘発する場合があった。新しい臓器である第4の唾液腺の存在が明らかになった今、放射線の照射経路を再構築する必要がある / Credit:Radiotherapy and Oncology、『ナゾロジー』より引用)
今回の研究により、医学の教科書に新たな臓器が書き加えられることになりました。
また研究成果は、放射線治療の現場での即時の改善にも役立つ可能性があります。
というのも、これまで唾液腺周辺のがんに対する放射線治療は、どんなに慎重に行っても、患者の唾液を減らして口の渇きを引き起こしてしまうことがありました。
この謎の渇きは、既存の医学では第4の唾液腺の存在が認識されておらず、放射線治療によって知らないうちに傷つられた結果だとも考えられます。
実際、723人の放射線治療と口の渇きにかかわるデータでは、第4の唾液腺部分に放射線をあててしまった患者では、より口の渇きが増える傾向もありました。
ですがこのような不幸な事故も、今回の発見で減ると期待されます。
研究者たちは今後、第4の唾液腺に対する理解を深めるために、より多くのデータを集めていくとのこと。
最新の研究が、あなたを放射線治療による口の渇きから救ってくれるかもしれませんね。
【編集注 2020.10.22 16:00】
タイトルを一部修正して再送しております。
参考文献
sciencealert
, nytimes
提供元・ナゾロジー
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