3. 家計収入の変化
日本の家計の第一の特徴は、収入が減少している事ですね。
家計収入の詳細推移を見てみましょう。
図3は家計の実収支について、詳細の積み上げグラフです。
世帯主収入(青)、配偶者収入(赤)、他の世帯員収入(緑)、事業・内職収入(黄)、財産収入(茶)、社会保障給付(紫)、特別収入(灰色)です。
やはり世帯主収入が、実収入の大部分を占めますが、1997年のピークから大きく減少しています。
一方で、配偶者収入や社会保障給付はやや増加しているようです。
日本 家計 実収入 月額
1997年→ 2017年 単位:万円
59.5 → 53.4 (-6.1) 実収入
48.7 → 42.0 (-6.7) 世帯主収入
5.6 → 6.4 (+0.8) 配偶者収入
0.4 → 0.3 (-0.1) 事業・内職収入
0.1 → 0.1 (-0.0) 財産収入
1.8 → 2.8 (+1.0) 社会保障給付
1.3 → 0.8 (-0.5) 特別収入
世帯主収入は月平均で7万円近く減少しています。共働きが増え配偶者収入は増えてはいますが、増加量は月平均1万円もいかない水準ですね。世帯主収入の減少を補いきれていません。
社会保障給付が月平均1万円増えているのも特徴的です。子供手当などもここに含まれるかもしれません。
いずれにしろ、労働者の給与水準が下がる事で、家計としての収入も減少しているという事がわかりました。
現役世代にお金が回らず、ひと昔前よりも減少してしまっているのが良くわかります。労働者は消費者でもありますので、収入が減れば当然支出も減りますね。
皆さんはどのように考えますか?
編集部より:この記事は株式会社小川製作所 小川製作所ブログ 2022年8月5日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は「小川製作所ブログ:日本の経済統計と転換点」をご覧ください。
文・小川製作所/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
【関連記事】
・「お金くばりおじさん」を批判する「何もしないおじさん」
・大人の発達障害検査をしに行った時の話
・反原発国はオーストリアに続け?
・SNSが「凶器」となった歴史:『炎上するバカさせるバカ』
・強迫的に縁起をかついではいませんか?