ハーレーダビッドソンの人気モデル・フォーティーエイトの登場をキッカケに注目を集めるようになったカスタムスタイル「ボバー」。特徴的な太いタイヤとスタイリッシュなフォルムのルーツがどこから来たものなのか、ヒストリーを追うとともにカスタムの特徴やボバー向きバイクをご紹介します。

目次
ボバーカスタム
 ・ボバーとは
ボバーカスタムの特徴
 ・ボバー向きなバイク
 ・ハーレーダビッドソン
 ・トライアンフ
 ・インディアン
 ・ヤマハ
 ・カワサキ

ボバーカスタム

ボバーとは

ボバー | カスタムバイクのスタイル紹介
(画像=米ウィスコンシン州・ミルウォーキーのハーレーダビッドソンミュージアムに展示されているダートトラックレーサー(2013年筆者撮影)、『Moto Megane』より引用)

ボバーとは、ボブカットと呼ばれる「短くする」髪型の呼称にも用いられている「ボブ」が語源で、その通り短くシェイプするカスタムスタイルを指します。そのルーツは1950年代アメリカで流行した未舗装路のコースでのダートトラックレースで、よりスピーディに走れるよう市販車の無駄を削ぎ落とし、なおかつダートでもしっかりグリップするよう厚みのあるタイヤを備えたレーサーに由来します。

ボバーカスタムに近しいスタイルが「チョッパー」。こちらはボバーと同じく「無駄を削る」(チョップする)ことを基本軸としたカスタムですが、サーキットに原点を持つボバーと違うのが1960年代と10年ほど後のアメリカのストリートシーンから生まれたスタイルであること。「無駄を削ぎ落としコンパクトにまとめる」点については共通しているものの、その先に追求するのは独創的なスタイルであるチョッパーと異なり、ボバーはスピードアップを目指しています。

ボバーカスタムの特徴

チョッパーとは似て非なるボバーカスタムの特徴をご紹介します。

①極太タイヤ

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(画像=『Moto Megane』より引用)

ホイール径は、フロントが16〜19インチ、リアが16〜18インチが一般的で、好みに合わせて厚みのあるタイヤを履かせるのがボバースタイルのマナー。ホイールカラーも、1950年代という時代背景からブラックアウトするのが主です。

②徹底的な軽量化

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(画像=チョッパーカスタムにも通じる無駄を削ぎ落とすスタイル、『Moto Megane』より引用)

よりスピードを求めるダートトラックレーサーが原点なので、スピードメーターやスイッチボックス、シートなど用いるパーツはコンパクトなものが主体となります。さらにリアフェンダーはとことんショート化、フロントフェンダーに至っては取り付けないなど徹底的な軽量化を図っていきます。

③ロー&ロングスタイル

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(画像=『Moto Megane』より引用)

1950年代アメリカに由来するカスタムスタイルとあって、縦に長いVツインエンジンのハーレーダビッドソンが美学とするロー&ロングスタイル(長く、短く)が好まれます。ビンテージスタイルを追求するならリアサスペンションを持たない(見えないところに設置されているもの含む)リジッドフレームがもっとも向いているでしょう。もちろんツインショックフレームや近年のモノショックフレームでも似合います。

ボバー向きなバイク

ボバーカスタムが似合うモデルは、やはりクラシカルなスタイルのバイクです。近年のネオクラシックも選択肢に含めつつ、メーカー別でご紹介します。

ハーレーダビッドソン

フォーティーエイト

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(画像=ハーレーダビッドソン スポーツスター・XL1200X フォーティーエイト、『Moto Megane』より引用)

ボバースタイルの火付け役とも言える、ハーレー屈指の人気モデル・フォーティーエイト。その名の由来である1948年式 S-125というハーレーの小排気量モデルも、ダートトラックレースに起用されていたことから ボバーの申し子と言っていいフォルムをノーマルの状態で有しています。個性的なキャラクターのモデルなので、どう味付け(カスタム)するかはオーナーのセンスと手腕次第とも言えます。

ソフテイルスリム

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(画像=ハーレーダビッドソン ソフテイルスリム、『Moto Megane』より引用)

ミルウォーキーエイトというビッグツインエンジンを心臓に持つ「ザ・ボバー」がこのソフテイルスリム。ソフテイルファミリーならではの油圧式フロントフォークや全体的にチョップドされたシルエット、ブラックアウトしたスポークホイールなどボバースタイルを目指す方には必須とも言えるメニューを最初から備えた一台です。

ストリートボブ

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(画像=ハーレーダビッドソン ストリートボブ、『Moto Megane』より引用)

ボバーの薫りをその名に漂わせるストリートボブ。チョッパーともボバーとも取れる良いとこ取りモデルで、ミルウォーキーエイトエンジンに載せ替えられた際にフレーム形状もツインショックからリジッド型フレームへと変わり、より1950年代風のマシンへと生まれ変わりました。

ファットボブ

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(画像=ハーレーダビッドソン ファットボブ、『Moto Megane』より引用)

ボバースタイルのロードスポーツモデル、そう評して差し支えないストリートボブはスポーツバイクとしての性能も有するミルウォーキーエイトエンジンとリジッド型モノショックフレームを土台に、前後16インチスポークホイール & ファットタイヤ、直線番長匂を漂わせるドラッグバー、攻撃的なフォルムを生むガンファイターシートに2本出しメガホンマフラーと、他メーカー製スポーツバイク乗りも思わず目を見張るディテールを兼ね備えています。乗ってみるとその凶暴さに驚かされるでしょう。

スポーツスターS

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(画像=ハーレーダビッドソン スポーツスターS、『Moto Megane』より引用)

刷新されたスポーツスターのニューフェイス、スポーツスターS。フォーティーエイトをインスパイアしただけあって、フロント17 / リア16インチホイールには極太タイヤが、そしてフォーティーエイト以上の全長がボバースタイルの基本であるロー&ロングスタイルを表現しています。ライダーの股下を通すように配された2INTO1メガホンマフラーもダートトラックレーサーらしい特徴と言えます。そして空冷エンジンから水冷エンジンへと生まれ変わったことから、その走行性能はフォーティーエイトをはじめとするラバーマウントスポーツスターをはるかに凌ぐ仕上がりに!

トライアンフ

ボンネビルボバー

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(画像=トライアンフ ボンネビルボバー、『Moto Megane』より引用)

イギリスのバイクメーカー・トライアンフがボバーの名を冠したモデルをドロップ、それがこのボンネビルボバーです。トライアンフをはじめ1950年代の英国製バイクは当時のアメリカ市場を席巻した歴史を持ち、そんな時代背景からイマジネーションを得て生み出されたバイクなのです。シート下にサスペンションが潜むリジッド型専用フレームやコンパクトなパーツ群、昔ながらのスポークホイールがこの一台をよりクラシカルにまとめてくれています。水冷エンジンながら小さくまとめられたラジエターにもトライアンフのこだわりを感じます。

インディアン

チーフボバー

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(画像=インディアン チーフボバー、『Moto Megane』より引用)

ボバーが流行した1950年代アメリカで、ハーレーダビッドソンと人気を二分したメーカー・インディアンモーターサイクルのボバーモデルがこちら。インディアンの人気モデル「チーフ」をベースに、ボバースタイルの味付けを施したVツインエンジンバイクです。さりげなくサスペンションを内蔵するリジッド型フレームに前後16インチスポークホイール & ファットタイヤ、ダークでスタイリッシュなフォルム、ボバースタイルの必須項目であるクラシカルなパーツチョイスと、ボバースタイルを産んだ国だからこその完成度を見せつけてきます。

ヤマハ

SR400 / 500

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(画像=ヤマハ SR400、『Moto Megane』より引用)

カスタムベースのモデルとしてボバー向きなSR。カフェレーサーやスクランブラーも似合うなど、その万能ぶりには舌を巻きます。その源流がヤマハTX500というスクランブラースタイルのモデルにあるので、手の入れ方次第でボバーカスタムを表現できること間違いなし。その潜在能力をどう引き出せるか、これまたオーナーのセンスが問われるところでしょう。

カワサキ

W800 / W650 / W400

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(画像=カワサキ W800、『Moto Megane』より引用)

SRと並んで近代のネオクラシックの原点を担った存在、カワサキW。英国バイクから生まれたそのスタイルがボバーを表現できないはずがありません。事実、ボバー化されたW650を見かけることも多くなってきた昨今、改めてWシリーズの可能性を感じるところです。カスタムベースとして是非。

エストレヤ

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(画像=カワサキ エストレヤRS、『Moto Megane』より引用)

Wシリーズの弟分とも言える、カワサキの250ccクラシックモデル・エストレヤ。同じシングルエンジンの250TRがスクランブラースタイルを引き受けてくれているので、エストレヤでボバースタイルを目指すことに何ら違和感はないでしょう。カフェレーサーへのカスタムが多く見受けられる同モデルの新たな可能性を切り開いてみたいところです。