手首、足首など末端部の使い方
トレーニングでは手首、足首などの体の末端部の使い方も大事です。手首、足首の動きは次につながる関節部分のコントロールに直結します。例えば手首を返してベンチプレス動作をすると、肘から動きます。手首を立ててベンチプレス動作をすると、肩関節が動きます。手首を返すか、返さないかによって動かしやすくなる関節部分、効かせやすい部位が変わってくるのです。
スクワット種目では、足首を背屈させると股関節から動きます。私はブルガリアンスクワットやシングルレッグのスクワットでは足首を少し背屈させています。逆に底屈した状態では、膝から折れていくことになります。ちなみに足の指も重要で、指をパーにすると背屈しやすく、グーすると底屈しやすくなります。
バーベルカールでは手首がまっすぐな状態、もしくは少し掌屈させた状態でバーを握ると、上腕二頭筋に負荷が乗ります。また、力学的に言うと、負荷の乗る方向も変わってきます。ネガティブ動作のときに手首を背屈させると、前腕伸筋群の方向に負荷が逃げてしまいます。また、肘にも負担がかかります。
グリップの握り
指の使い方は神経や力のかかる方向に関わってきます。親指、人差し指で握ると正中神経と橈とうこつ骨神経が間接的に働き、体の中央部分の筋肉が効きやすくなります。薬指、小指で握ると尺骨神経が働きやすくなり、力の方向が外側に向きやすくなるため、体の外側の筋肉に効きやすくなります。
さらに、グリップの強弱によっても体の動きは変化します。ベンチプレスでグリップを強く握ると、肩関節が動きにくくなり、肩が上がります。グリップを少し緩めると肩甲骨が動き、胸をストレッチさせることができます。ロウイングの場合も同様で、グリップを強く握って引くと肩や大円筋に、少し緩めたグリップで引くと僧帽筋下部と広背筋に効かせやすくなります。