宇宙船を飛ばすためには莫大な費用がかかります。そのため火星に届けることができる物資は限られています。
では、火星探査機が故障した場合、修理部品をどこから持ってくるべきでしょうか?
アメリカ、ペンシルベニア大学GRASPラボのデビン・キャロル氏は10月29日、『IEEE / RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems』にて「氷ロボット」の論文を発表し、この課題の解決策を提出しました。
彼によると、火星でも入手できる氷をロボットの材料にすることで、現地での部品交換や修復が可能とのこと。
惑星探査を念頭に置いた「氷ロボット」

(画像=火星にある氷の断崖 / Credit:NASA,『ナゾロジー』より 引用)
惑星などの物資が限られた場所で活動を続けるためには、「自己再構成、自己複製、および自己修復」が可能なロボットの概念を検討しなければいけません。
キャロル氏はその課題に取り組む第一歩として、現地で調達できるエネルギーや材料に注目しました。
まず、ロボットを動かす電力は太陽光発電によって得られます。これは既存の火星探査機にも採用されているため、確実性があるといえるでしょう。
次にロボットの機体や車輪には火星に存在する氷を採用しました。これにより、仮に破損したとしても周囲から簡単に修理部品を補充できるでしょう。
ちなみに、バッテリーや電子機器、モーターなどは氷で代用できませんから、地球からの少量の物資に頼る必要があります。