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塩水を電気分解して酸素と水素を作る
地球でも役立つシステム
塩水を電気分解して酸素と水素を作る
今回の研究チームは、塩水をそのまま電気分解して酸素と水素を生成できるシステムを開発したと言います。
「新しい塩水電解槽は、プラチナ炭素陰極と私たちのチームが開発した鉛ルテニウム酸塩パイロクロア陽極を組み合わせ、慎重に設計されています」
研究チームを率いるワシントン大学のビジェイ・ラマニ氏はそのように説明しています。
実際にチームは-36℃の火星大気をシミュレートした過酷な環境条件の中でシステムが正常に動作する検証も成功させています。
その慎重に設計されたシステムにより、チームの開発した装置はMOXIEが利用するのと同じ電気量で、25倍の酸素を作り出すことができます。
さらに水素まで生成できるため、もし宇宙飛行士が火星に言った場合、帰りの燃料まで同時に作り出すこともできるのです。
このシステムを使えば、水源を加熱したり浄化する必要がなくなります。
「むしろ、火星の不純物を含んだ水は、凍結しづらく電気抵抗が低いため、逆に役立つものに変わるのです」
研究チームはそのように、これまでデメリットでしかなかった火星の塩水が、メリットに変わるということを指摘しています。
地球でも役立つシステム
当然この装置は地球上でも役立てることができます。
一般的な、水電解装置は高純度の脱イオン水を使用しているため、コストが高くなっています。
しかし、チームの実証した技術は塩分濃度の高い水にも対応できるため、海水からも水素を作り出すことが可能になるのです。
地球上のどこにある水にも対応できる水電解装置は、水素の経済的価値を大幅に向上させることができるでしょう。
また酸素と水素を同時に作り出せるこのシステムは、潜水艦など防衛分野でも役立つ可能性があります。深海の調査でも酸素と燃料を同時に供給できるため、海洋の研究でも大いに活躍できるでしょう。
現在この塩水電解槽システムは特許出願中とのことです。
参考文献
phys
提供元・ナゾロジー
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