ちょっと「危険」な地方名
さて、そんな「魚の地方名」には、公には発言しづらいものが少なからずあります。
例えば上記のクロダイですが、関東では幼魚を「チンチン」と呼びます。これはおそらく「小さいチヌ」のことを揶揄した名称だと思うのですが、口の悪い釣り人の間では「チンチンしか釣れない」とほかの釣り人をバカにするときによく用いられます。

(画像=“馬面ハゲ”(提供:PhotoAC)、『TSURINEWS』より引用)
また、高級魚のひとつで肝の美味しさが知られる「カワハギ類」のことを、関西以西では「ハゲ」と呼びます。調理の際に皮を剥ぐのでカワハギ、簡単に皮が剥げるので「ハゲ」と呼ぶのは理屈ではわかりますが……。ちなみに代表種であるカワハギのことはマルハゲ、西日本で流通の多いウマヅラハギはウマヅラハゲと、救いのなさすぎる名称で呼びます。
このほか、かつては「メクラ」「セムシ」「イザリ」といういわゆる差別用語を持つ魚の和名も多くありました。しかしこれらの名称については、2009年に一斉に名称変更が行われました。
それでも「魚の地方名」にはまだまだ「メディアで紹介できない」ものが残っています。興味のある人はぜひご自身で調べてみてください。
<脇本 哲朗/サカナ研究所>
提供元・TSURINEWS
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