日本には名作と呼ばれる映画がたくさん存在する。名作と呼ばれる映画は、どれも一度は耳にしたことがあるはずだ。

しかし、外国人から支持されている日本映画のなかには、あまり有名ではないものも含まれる。もちろん、映画好きの人なら知っている可能性もあるが、最近流行りの映画に比べて知名度は確実に落ちる。

そこで今回は、外国人から評価されている意外な日本映画を3つ紹介する。映画に興味がある人もそうでない人も、ぜひ最後まで読んでみてほしい。

目次
■1.HANA-BI|1998年作品
■2.東京物語|1953年作品

■1.HANA-BI|1998年作品

名作なのに知られていない? 外国人から評価されている意外な日本映画3選
(画像=『男の隠れ家デジタル』より引用)

『HANA-BI』は、北野武が監督を務めた名作品だ。本作品は周りの人の死を受け入れていく男を中心に描いた邦画で、英題は『Fireworks』である。

音楽から構成、内容までが緻密に考えられた映画であり、詩情や哀切さなどのエッセンスが散りばめられている。リアルな人間模様を描かれた映画であることからも、まさに北野作品の集大成とも言える作品だ。

外国人から評価されている映画ではあるものの、当たり前だが日本人が観ても十分楽しめる。本作品で描かれる複雑な人間模様は邦画特有のものであり、洋画でこの感動を得られることはあまりない。

それ故、外国人から高く評価されているのだ。また、ヴェネツィア国際映画祭では、日本映画としては40年ぶりに金獅子賞グランプリを受賞した。それほど海外では有名で、支持されている作品である。

■2.東京物語|1953年作品

小津安二郎が監督を務めた1953年作品の『東京物語』。だいぶ昔に放映された作品であり、モノクロ映画であることが特徴的だ。

内容としては、家族の絆や夫婦関係、人間の一生などを冷徹な視線で描いた作品である。一つ一つの表現方法が細かく、撮影はローポジションを多用しているのがポイント。カメラを固定して撮影する独特な演出技法を用いることで、テーマである家族の絆を細部まで丁寧に描いている。

家族の絆や老いと死は普遍的であり、国や人種に関係なく響くものがあるため、外国人から高く評価されているのだ。家族という存在を考えさせられる素晴らしい作品なので、見たことがない人はぜひ一度、その目で物語を最後まで見届けてほしい。

なお、英国映画協会が発行している「Sight & Sound誌」において、10年ごとに発表する映画ベストテンで本作品は何度もランクインしている。また本作品を制作した小津安二郎は、海外で支持されている日本人監督の一人でもある。