繁殖期にだけつく「星」とは

さて、魚の中には、一年の中のとある時期だけ「星」をまとうようなものもいます。その星とは点状模様ではなく、繁殖期のオスの個体に見られる「追星」という突起状の組織です。

この追星は、オイカワやフナなどのコイ科淡水魚に現れることが知られています。魚における二次性徴のひとつで、性ホルモンの作用によって頭部の皮膚や鱗の一部が突起状に固くなるのです。

「星」が付いているサカナたち 季節限定の『追星』は繁殖と関係あり
(画像=追星の出ているオイカワ(提供:PhotoAC)、『TSURINEWS』より引用)

この追星は装飾物ではなく、メスを刺激したり、オス同士で争うときに用いられます。オイカワやニゴイの大型個体では追星も迫力があり、婚姻色と相まって同種のメスとは全く別の魚のようにも見えます。

コイ科の魚を捕獲したとき、もしそれが繁殖期のオスの個体だったら、よく観察してみてください。その荒々しさやかっこよさに惹かれるかもしれません。

<脇本 哲朗/サカナ研究所>

提供元・TSURINEWS

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