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地下の資料室とレストランもおすすめ
タイムスリップした気分になる甲南漬資料館
地下の資料室とレストランもおすすめ

1933年落成の同公会堂設計は兵庫県出身の建築家、清水栄二。大理石とガラスを多用したつくりで、阪神間モダニズムの好例でもあります。空襲や阪神・淡路大震災で、それぞれ大きな被害を受けましたが、そのたびに改修され復活してきました。時代によって、演芸会場、結婚式場、避難所と、地域民の役に立ち、また愛されてきた建物です。

現在は貸しホール、貸会議室として用いられていますが、利用者がいない時は見学も可能です。地下には、レトロな雰囲気の食堂と、「御影郷土資料室」「嘉納治五郎記念コーナー」が設けられています。そう、日本の柔道家として知られる嘉納治五郎は、酒造の嘉納家と血縁関係にあるのです。
御影公会堂
- 見学無料
- 開館時間:9:00~21:00(御影郷土資料室と嘉納治五郎記念コーナーは17:00まで)
- 休館日:火曜日・年末年始
タイムスリップした気分になる甲南漬資料館

御影公会堂から南西に10分ちょっと歩いた場所にも、清水栄二設計の建築物が残っています。甲南漬二代目社長高嶋平介の依頼で1930年(昭和5年)建てられ、1970年(昭和45年)まで住居として使用されたものです。第二次世界大戦の戦災は免れたものの、阪神・淡路大震災では鉄筋部分以外が壊れ、現在残るのは洋館のみとなっています。外から想像するのと違い、中は意外にどこか懐かしい和洋折衷な内装で、タイムスリップしたような気分になります。

現在、1階は甲南漬資料館として無料公開され、2階は地元のカルチャー教室に利用されています。資料館には、御影郷・魚崎郷の紹介、奈良漬の起こりと歴史、作り方の説明などが展示されています。甲南漬というのは一般に奈良漬と呼ばれるものと同じで、塩漬けした野菜を何度も酒粕に漬けて作るものです。

灘五郷という土地の利を生かし、もとは酒粕の仲介業を営んでいた高嶋家でしたが、1871年(明治3年)に初代高嶋平介が焼酎製造を開始し、やがて、みりんや奈良漬の製造にも取り組むようになります。「甲南漬」の商標を登録したのは昭和に入ってからですが、そういうわけで既に創業150年の歴史を持つ会社なのです。
甲南漬資料館
- 開館時間:10:00~17:00
- 休館日:12/29~1/5
- 入館料:無料