真のヒトゲノム計画完了の年は2021年

実はヒトゲノム計画は完了していなかった!? はじめて全塩基配列の解読が終わる
(画像=ヒトゲノムが完璧に解読されても解読技術の研究は続く。最終目標は個人ごとの完璧な配列を迅速に決定すること / Credit:Canva、『ナゾロジー』より 引用)

今回の研究により、ヒトゲノムが本当の意味で全て解読されました。

これまでの研究によりさまざまな生物のゲノムが解読されてきましたが、脊椎動物については、完全な解読が行われた例は存在しませんでした。

研究結果はかりそめの解読「終了」が宣言されてからも20年にわたって地道に解読技術を磨いてきた努力の集大成であり、人類の記念碑に名を刻むに値するものです。

とりわけ素晴らしい点としては、解読において難所中の難所とされていた(繰り返し配列だらけ)染色体中央のセントロメア部分の解読に成功したことがあげられます。

この部分は染色体がDNAを一点に束ねているだけでなく、細胞分裂における染色体の移動に重要な部分です。

研究者たちは今後、ヒト以外のさまざまな生物においても完全な解読を行っていくとのこと。

今後の歴史の教科書には、ヒトゲノムが完璧に解読された年は、ホワイトハウスで華々しい「終了」発表が行われた2001年でも、ヒトゲノム計画が「終了」した2003年でもなく、2021年と記されるかもしれません。

提供元・ナゾロジー

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