ライフジャケットや水着は、レジャーでの使用後はきちんと乾かさなければカビ臭くなってしまいます。
しかし、新たに開発された生地は、そんな必要がなくなるかもしれません。
中国武漢理工大学の2人の研究者シャオ・ゴォン(Xiao Gong)氏とシンティン・ハン(Xinting Han)氏は、撥油性と撥水性を備えた浮力のある綿織物を1工程で作る方法を開発したと報告しています。
研究の詳細は、7月22日付でアメリ化学会の学術雑誌『ACS Applied Materials & Interfaces.』に掲載されています。
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水遊びに最適な素材
水遊びに最適な素材
防水・撥水加工が施された布地は、水の抵抗が少なく、また自浄作用があるため、水遊びにおいて需要の高い素材です。
一方、水着には綿がよく使われますが、これは親水性があるため水に濡れると湿ってしまい、汚れが付着しやすい素材です。
そのため、これまで多くの研究者たちが綿に防水・撥水加工のコーティングを施す方法をいろいろと開発してきました。
しかし、そうしたコーティングは、生地に塗布するために非常に多くの工程が必要で、大量生産に向いていませんでした。
ナノ粒子を配合するという方法も考案されましたが、これはナノ粒子が剥落した際の、環境への悪影響が懸念されています。
そこで、今回の研究者たちが目指したのは、さまざまな過酷な使用状況に耐える撥水コーティングを、綿布地に対して簡単に行える方法を考えるということでした。
そして、ゴォン氏とハン氏の2人の研究者は、防水に有効な3成分の混合溶液を24時間かけて綿布地へコーティングするという方法を考え出したのです。
この3成分は、具体的には「ドーパミン塩酸塩」、「3-アミノプロピルトリエトキシシラン」、「1H,1H,2H,2H-パーフルオロデシルトリエトキシシラン」です。
成分名は複雑ですが、研究者はこの防水性コーティングを綿布に対して1工程で施せるよう最適化を行いました。
では、実際どれくらい水を弾くのでしょうか? 研究者が公開している実験動画を見ていきましょう。