人を応援すると自分に返ってくる

筆者が20代の頃の出来事になる。当時はコンサルテイング会社に勤務をしていた。組織体制や顧客の状況、目標設定に違和感を覚え上層部に直談判をしていた。しかし主張は聞き入られることもなく、気がついたら理不尽な目標設定が残されただけだった。

社長「他の連中はみんな目標設定終わったから。お前の目標は残り全部だから!」 尾藤「えっ、マジで?しかも顧客の割り振りが終わったってどういうことですか?」 社長「お前が悪いんだ!全部、新規で開拓すればいいぢゃないかww?ん」

コンサルティング会社は、個人事業主の集まりである。年間の予算が振られて、期末の達成率に応じて報酬が支払われる。実績顧客がゼロの状態だったので、新規案件はすべて廻してもらう約束で目標設定をおこなった。上層部に歯向かった報いである。とりあえず1年頑張ってダメだったら腹をくくるつもりだった。

顧客ゼロだからまったく実績が上らない。他の社員も気まずそうだ。そこで考えた。若手が実績を挙げたら目一杯喜ぼう。“ピョンピョン”と喜ぼう。8ヶ月目にようやく案件が受託できた。その案件は、事業部利益50%をたたき出すほどの大型案件に育った。期末、気がついたら私は、コンサル会社世界1位(50カ国)の達成率を計上していた。

社内で味方はどうやってつくるのか、上司とはどうやって握るのかなど。この経験は、それ以降の、マネジメントに大きな影響を与える出来事になった。

直島さんは、おけいこ歴49年、全356教室通った“おけいこマニア”。さらに、45歳で三つ子を出産した“6歳児たちのママ”。秘けつは「こだわりを手放す」こと。そして、「計算をする」ことだった。今回、出版の夢を実現させた、直島美佳さんの前途を祝したい。

[本書の評価]★★★(75点)
【評価のレべリング】※標準点(合格点)を60点に設定。
★★★★★「レベル5!家宝として置いておきたい本」90点~100点
★★★★ 「レベル4!期待を大きく上回った本」80点~90点未満
★★★  「レベル3!期待を裏切らない本」70点~80点未満
★★   「レベル2!読んでも損は無い本」60点~70点未満
★    「レベル1!評価が難しい本」50点~60点未満
星無し  「レベル0!読むに値しない本」50点未満
※2019年に紹介した書籍一覧

尾藤克之
コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員
※14冊目の著書『3行で人を動かす文章術』(WAVE出版)を出版しました。

文・尾藤克之/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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