「本来は今日やるべき仕事だけど明日やろう」「よし明日から本気になるぞ!」。このような人がよくいます。将来やることを期待してドンドン先送りをしてしまうのです。今回は、筆者15冊目の著書『すぐやるスイッチ』(総合法令出版)から、先延ばしのメカニズムについて解説します。

1日目:今日は無理だから、明日から本気を出そう。
→ 日付が明日に変わる。
2日目:今日は体調がイマイチ。明日の午前中なら時間もありそうだ
→ 日付が明日に変わる。
3日目:急なアポが入っちゃったな。また改めて再設定すればいいや。
→ 日付が明日に変わる。
日本人は睡眠時間が主要28カ国で最短
これが「先送り」です。「先送り」はやっていないことと同じです。明日になれば体調がよくなるとか、全開バリバリでやる気モードになることは、絶対にありません。面倒な仕事は誰もがやりたくありません。先延ばしを繰り返すことで確実に残り時間は少なくなっていくのです。このようにならないためには、前日から取り掛かる意識が大切です。
これは、前日から作業を始めるという意味ではなく、寝る前にやるべきことのリストアップや整理をしておくということです。前日の寝る前に意識は仕事に向けておくことが大事なのです。目が覚めたら、先送りにしてきた仕事に取り掛かることができます。
朝は一日の中で最も重要な時間です。心身ともにエネルギーに充ちています。この時間帯に動くことは極めて合理的とも言えます。「手を付けることができない(もしくはできなかった)」という意識はこれで変わるはずです。
それでもできない場合、確認してもらいたいのが睡眠です。活動量計を開発・販売するポラール・エレクトロ・ジャパンが、主要28カ国のユーザーから、2017年の6カ月間、600万人の睡眠データを取得して分析した結果、日本人の睡眠時間が28カ国の中で最短であることがわかりました。
日本人の平均睡眠時間は男性が6時間30分、女性6時間40分と男女ともに最短。最長は、男性はフィンランドの7時間24分、女性はフィンランドとベルギーの7時間45分でした。「睡眠の質」も、日本人平均は28カ国中25位とされています。
睡眠不足は様々な弊害をもたらします。眠りが浅いと、心や思考に悪影響を及ぼし、やる気が低下して、集中して取り組むことが難しくなるからです。ぼーっとしていると思考力が働かずに判断力も鈍ってきます。眠れないことで仕事のパフォーマンスが落ちます。こうなると負のループです。気合いで乗り越えられるようなものではありません。