期待のかかる文化政策

2つ目の「日本の『文化GDP』倍増化計画」と3つ目の「UGC活性化戦略『好き』を伸ばして生かせる世界に」にも期待がかかる。

内閣府に特命担当大臣まで置いて推進したクールジャパン戦略も、官民ファンドのクールジャパン機構が309億円の累積赤字を出すなど、すっかりクールダウンしてしまった(「累積赤字309億円!ネット民怒りの統廃合検討、元凶は何だったのか?」)。

外国人観光客がコロナ前の5年間で2.4倍増と急増、期待がかかったインバウンドも2019年の3188万人から2021年には25万人へと激減した。こうした状況下、『「表現の自由」の闘い方』巻末対談は以下のように指摘する(282ページ)。

赤松 フランスのマクロン大統領がオリンピックで来日した時に会いたかったのは誰だと思います?『鬼滅の刃』の吾峠呼世晴(ことうげこよはる)先生と『進撃の巨人』諌山創先生です。それぐらい、日本のマンガは世界で愛されてるんです。私はそういうコンテンツの力で、平和的に世界征服したいと思っているんですよ(笑)。「日本ってすごい!」「日本の文化って楽しい!」って、世界に憧れられるような国にできると信じているんです。

山田 それは私も同意見です。「表現の自由」って、エロ・グロ・暴力がフューチャーされがちだけど、本質は文化を守ることってことですから、自分たちの文化をしっかりと守って、若者が誇りを持てる国にする。それは私たち大人の責任ですからね。

赤松氏には「世界に憧れられるような国にできる」との信念を貫いて、「日本の『文化GDP』倍増化計画」をぜひ実現してもらいたい。

文・城所 岩生/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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